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プログラム制作の原価計算|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

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2023/07/21

目次

    はじめに

    今回は趣向を変えてプログラム制作を例に原価計算の意義についてお話します。原価計算というとどのようなことをイメージしますか?複雑そうとか、お堅そうなイメージをする方もいらっしゃると思います。今回はいきなり専門的な解説をせず、プログラミング業務に即して原価計算にまつわる話を取り上げます。原価計算の意義もそうですが、役に立つプログラムを作るためのご苦労をお伝えし、感謝できればと思っています。
    なお、以前原価計算についてはケーキを例に開設した記事があります。そちらも参考に頂くと理解が深まります。

    ケーキの原価計算
     

    プログラムの価格はいくら?

    プログラムを制作、外注するに当たりなぜその報酬なのしょうか?値付けは金もうけやコストカットのためだけではありません。プログラムを作ったり、引渡しするためにプログラマーは多額の支払いをしています。では、どのようなことに多額の支払いをするのでしょうか?また、支払はいくらになるのでしょうか?そのようなことを明らかにするのが「原価計算」なのです。
    もちろんプログラマーにとって支払以上の売上がないと赤字になり、今後プログラムを制作を請け負うことが難しくなってしまいます。つまり、いくらで売るのかを決めるためにも原価計算は重要なのです。もし、同じ人に依頼して内容に大きな違いがないのに報酬が上がっていたら、売るための支払つまり原価が上がっているのかもしれません。プログラマーもクライアントに負担を強いることになり苦渋ですが、クライアントの役に立つプログラムを作り続けるために致し方ないことでもあるのです。では、次から原価について具体的に話を進めます。

     

    プログラムを作るためにかかるコスト

    では、プログラムを作るためにどのような支払いがあるのでしょうか?主に以下の通りです。

    • 電気代
    • 通信料
    • PCなどプログラム制作に使うハードウェア代
    • 開発アプリケーションソフトなどのソフトウェア代

    以上がわかりやすい支払項目です。一方、企業の従業員の場合ではわかりやすくフリーランスでははっきりわかりにくいのが、プログラマーに対する人的コストです。従業員ですと給与や賃金の形での支払がありますが、フリーランスにはそのような概念はなく受託報酬から他の経費を差し引いた部分が人的コストに対する支払となります。つまり、フリーランスの場合報酬の交渉結果によって人的コストに対する支払いが大きく変動するのです。ただし、従業員の給与や賃金があってもクライアントからの報酬は先方との交渉で決まりますので、プログラムから得られる利益は報酬の多寡によって大きく左右されることはフリーランスの場合と同じです。
    プログラムの制作納品からある程度の利益を得るためには正確な人的コストの見積りが重要です。次の項目で人的コストの見積りについて解説します。

     

    作業時間を把握していますか?

    ここでは人的コストにの見積りについてお話しします。プログラム制作業務において重要な指標は作業時間と難易度やスキルの度合いです。難易度やスキルの度合いは時間単価に影響しますが、主観的な要素があり一概にどのように単価に反映させるかについてここで説明することは難しいです。一方、作業時間については客観的なものであり、例えば機能が複雑で時間がかかるプロジェクトであれば作業時間も多くかかり人的コストが上がることは容易に想像できるのではないでしょうか。
    作業時間は受注前にあらかじめ見積もることで報酬をいくらにすべきかある程度目星が付きますし、見積りと実際の作業時間と比較することで報酬の追加あるいは値引の必要性を見える形で検討することができます。多くのプログラマーは案件ごとの作業時間を見積もっていると思いますが、もし当初の見積もりをしないでどんぶり勘定でクライアントと報酬交渉をしているようでしたらまず引合の段階で作業時間を見積もり、より適正な利益を確保できるような体制を作りましょう。

     

    この経費はプロジェクトに割り振れませんが?

    プログラム制作に必要な主な経費として、電気代、通信料、ハードウェア代、ソフトウェア代を取り上げました。これらの経費があるプロジェクトでいくらかかるのか、あるいは実際にかかったのかはプログラマーの人的コストと違って直接把握することは困難です。例えば通信料ですと従量課金プランではなく定額プランで契約していることが多いのではないでしょうか?また、有料開発アプリケーションもインストール時一括決済または月定額制が多いです。こうした期間定額制の料金プランですとプログラム制作時間により月ごとの時間当たりプログラム経費が大きく変動します。
    つまり、作業時間の多い月のコストは下がり、少ない月は上がるのです。そうしますと、同じ報酬のプロジェクトを受注したとしても制作した時期によって作業コストが変動し採算の判断を誤ることにもつながります。そこで、こうした弊害を防止するためプロジェクトあたりのコストを直接割り振れない場合は敢えてプロジェクトの採算計算に含めないで、期間中の全てのプロジェクトで得た利益からコスト回収するという考え方を取ることが一つの方法としてあります。一方、経費を支払ったことで得られるメリットをプロジェクトごとに測定できる基準で割り振る方法で各プロジェクトに割り振る考え方もあります。例えば、電気代は作業時間、ソフトウェア代はプロジェクトごとの月別利用回数を基準に経費を按分する方法です。
    なお、ハードウェア代やソフトウェア代、ライセンス料などのうち開始時一括払いのもので多額であるものについてはその支払いによって得られるメリットが開始時だけでなく使用期間中長期にわたることから、使用が見込まれる期間をあらかじめ見積もり、その見積もった期間にわたって経過期間や使用率などを基準に経費を徐々に計上する償却を行い実質的に定期払いと同じように経費となるようにします。

     

    この依頼結果としてうまく行ったかどうか知りたいです!

    原価計算は単にプロジェクトごとの制作コストを計算するだけではありません。当初見積もりと実際のコストとを比較することによりプロジェクトの振返りとその後の作業改善のきっかけとなるツールともなります。
    しかしながらプロジェクトはしばしば期間が長くなり、クライアント要望や内部トラブルで制作途中で見積もりや契約を見直す必要が出る場合もあります。そこで、プロジェクト開始時から時系列で原価の発生状況を見ることができる分析方法があります。この方法とはEVM分析です。
    EVMとは、Earned Value Management(アーンドバリューマネジメント)の略でプロジェクト全体から見た進捗度をコストベースで見るもので、PV(Planned Value,計画予算)、EV(Earned Value,出来高)、AC(Actual Cost,実際現価)の3つの数値を出します。PVは予算であることはお分かりだと思いますが、EVとACいずれも実績値です。では、EVとACはどの点が違うのでしょうか?
    EVはある時点における実際の作業進捗に応じ消化した計画予算を示すのに対し、ACはある時点における全くの実績額です。つまり、EVとACを両方出すことによりある時点での予算オーバーがないかどうか確認でき、今後の作業タスク見直しやメンバー変更といった計画見直しの必要がないか判断する指標となります(AC-EVをCV,コスト差異といいます)。一方、PVとEVを比較することにより作業進捗の度合いがわかり、作業スケジュール見直しの必要がないか判断する指標となります(EV-PVをSV,スケジュール差異といいます)。
    このように一定の時点で進捗度とコストを分析することによりプロジェクトの途中でも適宜見直しすることができるようになるのです。

     

    おわりに

    今回はプログラム制作に関する原価計算について取り上げました。プログラミングの大部分はプログラマーの力量によるところが大きく人的コストが最大かつ主要なコストになります。人的コストは値決めに主観的な要素が多く入ります。それでも時間当たりコストを決めておくことでプログラマー自身の価値がある程度見えてきます。
    是非プロジェクトごとの採算をざっくりでもよいので見積り実際にいくらかかったのか分析しましょう。分析することで値決めやプロジェクト受注の可否の精度が上がります。

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