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食料品消費税率1%引き下げによる業界別対応|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

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食料品消費税率1%引き下げによる業種別対応|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

食料品消費税率1%引き下げによる業界別対応|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

2026/10/16

目次

    はじめに

    飲食料品消費税の1%への引き下げ改正案の解説について10月2日に記事をアップいたしましたが、影響を受ける業種は限定的です。それでも、影響を受ける業種での対応は大きいため改めて業種別対応として記事をアップすることにいたしました。特に影響の大きい業種は、

    • 食料品製造販売業
    • 農業、漁業
    • 飲食店業

    の3つです。上記の業種を中心に業種別対応を取り上げ最後に上記以外での業種での対応についても軽く触れます。なお、ブログアップ時点では案の段階であり、成立しない可能性がありまた成立時に内容が変更になる可能性があることをあらかじめお断りしておきます。
     

    食料品製造販売業

    飲食料品消費税1%引き下げの影響を真っ先に受ける業種が食料品の製造業、販売業です。
    こうした業種では販売するものが飲食料品であるため、売上消費税が現在の8%から1%に下がる商品が多くなります。また、仕入れる商品や材料の大部分も飲食料品であることから仕入消費税も現在の8%から1%に下がるケースが多くなります。一方、飲食料品以外の仕入やその他の経費についてはこれまで通り10%です。よって、消費税率引き下げが行われると消費税の納税額がこれまでよりも大きく下がることが想定されます。ただし、この想定は厳密に売上消費税-仕入税額控除を計算して納税する本則課税の場合の話で、仕入税額控除の金額を売上消費税に一定の率(卸売業90%、小売業80%、製造業70%)を掛けて計算する簡易課税制度を届け出ている場合にはある意味仕入や経費の税率が全て1%であるとのみなし計算になることから本則課税よりも控除額が相対的に下がる可能性が高くなります。
    そこで前回記事でも取り上げましたが、

    • 引き下げ初年度における簡易課税制度を取りやめ本則課税に戻す場合の届け出の対象年度末までの期限延長及び簡易課税制度適用2年縛りの適用除外
    • 飲食料品の譲渡(販売)に係る売上に対応するみなし仕入税額控除額を売上と同額(つまり100%控除)とする特例
    • 引き下げ初年度における中間納付税額の前年度売上または仕入実績に引き下げ後の消費税率を用いての計算特例

    が導入されるとされており、消費税率引き下げに伴う消費税納税額抑制効果を得ることができるようになりそうです。

    そして日常の販売仕入において影響を受ける点としては消費税率引き下げに伴う販売価格及び仕入価格の値下げがあるかどうかです。値下げを行う場合価格表やの入れ替えが必要になりますが、商品アイテム数が多く変更に時間がかかることから価格表示について引下げ実施予定日の2027年(令和9年)4月1日から2か月前倒しもしくは2か月延期の特例が設けられることになっています。
     

    農業、漁業

    飲食料品の多くは農産物や水産品から出来ています。よって、農家や漁業者も消費税1%引き下げの影響を強く受けます。一方先述の飲食料品製造・販売業とは異なり飲食料品を直接仕入れることは少なく、仕入に対する消費税は10%のままとなるケースが多くなります。よって、販売価格は消費税率引き下げによる値下げ効果が生じる一方、資材や燃料など経費の購入価格には生じないため、実際の手取りが少なくなることが生じえます。
    そこで、政府は全国のおよそ80万の農家や林業・漁業者に対し、売上高の5%分ほどの給付金を支払うことを検討しているようです。(日本経済新聞2026年10月8日配信:消費税減税で減収補塡、農家に売上高の約5%を給付 政府検討)この給付金によって、消費税率引き下げに伴う減収を抑制する狙いがあります。
    なお、消費税の納付額は売上消費税が減少する分減少するケースが多くなりそうですが、売上高が1,000万円に満たない零細事業者が多い農業や漁業においては免税事業者となっているケースが多くあります。免税事業者ですともともと消費税の納付をしないため納税額減少の恩恵がない一方、価格変動の影響は受けるため実際の手取りが少なくなる資金繰りへの影響は課税事業者以上に大きくなりそうです。

     

    飲食店業

    飲食料品を商売としている業種の代表として飲食店があります。飲食店における飲食料品の提供の場合飲食サービスの提供とみなされるため、現状の消費税率は10%となっており今回の改正においても10%が維持されます。一方、仕入の多くは飲食料品(酒類除く)であり飲食料品の譲受に該当するため、今回の改正で8%から1%に下がります。そのため、税率引き下げに伴う仕入価格の値下げ効果が生じる可能性がある一方、消費税納税額の増加が見込まれます。
    また、飲食店における飲食料品の提供は10%のままとなり消費税率が引き下げられる飲食料品購入の場合との価格差が大きくなるため、飲食店での外食から内食や中食へのシフトがさらに進む可能性があります。そのため、売上の減少による飲食店経営への影響もあり得ます。この影響に対しては売上仕入ともに10%となる酒類中心の飲食店は消費税率引き下げの影響が比較的小さいなど飲食店によって影響の度合いが異なるとの理由で政府から特に給付金等の対策はないようです。
    消費税率引下げの対象となるデリバリーやテイクアウトを強化することで売上を確保する対策が飲食店における最も現実的な消費税率引下げ対策となりそうです。

     

    飲食料品を取り扱わない業種への影響

    ここまで飲食料品を取り扱う業種における飲食料品消費税率1%引き下げの影響を取り上げましたが、飲食料品を取り扱わない事業における影響についても軽く取り上げます。
    日常の取引で飲食料品が登場するのは主に会議等で使用する軽食、取引先等へのお中元やお歳暮等の贈答です。消費税率が1%に下がると値下げ効果が生じ経費負担がいくらか軽くなる可能性があります。一方で本則課税方式で消費税を計算・納税している場合仕入税額として控除できる税額が減少し納税負担がいくらか増える可能性もあります。
    飲食料品を取り扱わない事業を展開している事業者に留意していただきたいのが、消費税1%が適用される取引の範囲です。消費税1%が適用されるのは2027年(令和9年)4月1日から2029年(令和11年)3月31日までの間に購入した飲食料品です。
    例えば2027年3月中に購入し、支払が2027年4月以降ですと消費税率は現在の8%が適用されます。一方、支払を2029年3月までに済ませ納品が2029年4月以降ですとこちらも消費税率は8%となります。特に購入と支払が税率引き下げ期間の開始または終了近くでの飲食料品購入取引に注意が必要です。
    飲食料品取引が少ない事業者は頻度が低く取引額も少ないゆえに、上記の留意点は関心が低く見逃しやすいですので、あまり関係ないと思わず十分に留意しておきましょう。

     

    おわりに

    今回は業種別の飲食料品消費税率1%引き下げの影響について取り上げました。消費税率1%引き下げは価格設定や売上、仕入に大きな影響があります。また、この消費税率引き下げは「給付付き税額控除」制度導入開始までの間の2年間の時限措置であるため、2年後の制度終了時は税率引き上げによる影響が生じます。
    いずれにしても現場での混乱を防ぐため、法案審議中の今の段階から消費税率引き下げへの対応、また2年後の消費税率引き上げにも対応できるよう準備をしておくことをお勧めいたします。

     

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