公認会計士・税理士熊谷亘泰事務所

マイナンバーは何に使われる?

お問い合わせはこちら

マイナンバーは何に使われる?

マイナンバーは何に使われる?|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

2024/11/29

目次

    はじめに

    12月2日に紙の健康保険証の発行が終了しマイナンバーカード保険証への本格移行が始まります。これを機にマイナンバーカードの取得を検討されている方もいらっしゃると思いますが、そもそもマイナンバーとは何かピンと来てない方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は、マイナンバーそのものの意義を取り上げます。
     

    マイナンバーとは?

    マイナンバーとは何でしょうか?初めにマイナンバーの意義を確認します。
    マイナンバーとは、正式には「個人番号」といい日本に住民票を有するすべての人(外国人の方も含まれます。)が持つ12桁の番号です。原則として生涯同じ番号で、マイナンバーが漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められる場合を除いて、自由に変更することはできません。つまり、国籍に関係なく日本に住んでいる人すべてに付与され、亡くなるまで不正利用などセキュリティ上の喫緊の危険がない限りずっと同一の番号であるということです。
    マイナンバーの利用は、社会保障、税、災害対策の3分野で、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されます。これまでそれぞれの行政機関が保険番号や整理番号など別々の番号や記号で個人管理をしており特に情報連携が求められる場面で個人のすり合わせが必要になり非効率であったものを同一の番号を用いることで効率的に情報連携ができるようにし行政サービスの質を向上することを目的としています。
    行政サービスの質の向上を目的としていることから、社会保障、税、災害対策の法令で定められた手続のためにのみ使用可能で、マイナンバーを提供できる者は国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに限定されます。また、マイナンバーの提供を受けた者は法令で定められた目的以外にマイナンバーを利用することはできません。当事務所でも確定申告や年末調整業務のためにお客様からマイナンバーを入手しますが、確定申告及び年末調整以外の目的でマイナンバーを使用することはありませんし、マイナンバーも他者から読み取り不能な形で管理しています。
    行政機関ではサイバー攻撃によるマイナンバーの漏洩被害を防止するため、マイナンバーを特定の機関が集中して管理せず各省庁で管理し行政機関同士のやり取りも暗号化して情報提供ネットワークシステムを通して行っているようです。次の項目以降で各分野における活用について取り上げます。
    参照:内閣府HP|マイナンバー制度について


     

    公的扶助・社会保障における活用

    ここからは具体的な活用についてお話しします。マイナンバーが特によく使われる分野が公的扶助と社会保障です。これまで、以下の申請では本人確認と納税状況などの確認のために住民票や納税証明書などの提出が必要でした。マイナンバーを活用することにより住民台帳情報や納税情報が行政機関で容易に確認できるようになるため不要となります。

    • 健康保険における扶養認定の申請
    • 生活保護の申請
    • 児童扶養手当の申請
    • ひとり親家庭等日常生活支援事業の申請
    • 特別児童扶養手当の支給の申請
    • 児童手当の申請
    • 介護保険料の減免の申請
    • 奨学金の申請
    • 障害福祉サービスの申請
    • 保育園や幼稚園等の利用に当たっての認定の申請

    なお、協会けんぽや健保組合など行政機関に該当しない期間に対する健康保険関連の申請にはマイナンバーが使用できないため、従来通り住民票などの提出が必要になります。
    また、マイナ保険証の利用ではマイナンバーと直接受診記録を紐づけするわけではなくあくまで保険証番号とマイナンバーを関連付け、保険証番号ごとの受診記録を管理し、適切な薬の処方や医療費証明書の作成に活かすようです。
    厚生労働省HP|マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット

     

    税金・申告における活用

    マイナンバーは税金や申告でも活用されています。主な用途は税務署等で税金に関する書類である申告書や源泉徴収票などの法定調書での名寄せがしやすくなり申告及び納税状況をより効率的に把握するためです。つまり税務当局で正しく申告納税され税金逃れがないかどうかを把握するためです。このような説明をすると税金を取れるところからどんどん追徴するのではないかですとか、国民個人の財産を政府などがすぐに把握できるようにして何かよからぬたくらみをするのではないかという不安の声があります。ですが、税金は法律に書かれている範囲内でしか徴収することができません。法律に則り正しく申告納税さえしていれば何も問題はありません。
    一方利便性の点から申し上げると、マイナンバーを活用することで公的扶助や社会保障における申請と同様に住宅ローン控除適用において住民票の提出が不要になっています。また、マイナンバーカードによってアクセス可能なマイナポータルから源泉徴収票や控除証明書を電子データでダウンロードし、e-Taxでの電子申告や電子での年末調整でアップロードすることで手入力の手間やミスをなくすことができます。

    国税庁HP|社会保障・税番号制度<マイナンバー>について


     

    災害対応における活用

    マイナンバーの活用によるメリットで政府が特に説明しているのが、災害発生時の迅速な対応です。
    具体的には、以下の手続において本人確認と振込口座の確認が迅速化され対応期間が短縮されるとされています。

     

    • 罹災証明書(り災証明書)の発行
    • 応急仮設住宅の供与
    • 応急修理の実施
    • 障害物の除去
    • 災害弔慰金の支給
    • 災害障害見舞金の支給
    • 災害援護資金の貸付
    • 被災者生活再建支援金の支給
    • 災害公営住宅の入居
    • 市町村民税の減免
      ただし、災害時は停電や機器の破損などによりマイナンバーで紐づいたデータのアクセスが物理的に難しいことも想定されます。その点は留意したうえでアクセス環境が維持されている限り災害対応の迅速化につながると理解することになりましょう。
      デジタル庁HP|非常時におけるマイナンバーカードの利用シーン

       

    おわりに

    今回はマイナンバーの意義について取り上げました。マイナンバー及びマイナンバーカードの活用が上手にできれば、煩雑とされていた行政手続がスムーズになり縦割りとされていた行政機関同士の連携も改善されることでしょう。
    マイナンバーカードについて最後に簡単に取り上げますと、マイナンバーが入った写真付き身分証明書に過ぎません.どちらかといいますと、本人確認を電子的に行えるため、行政手続に係る手間が省ける効果のある身分証明書の一種と捉えたほうがよさそうです。マイナンバーカードの保険証としての機能は健康保険診療情報捕捉の高精度化と医療記録の蓄積が主な目的と理解すると良いでしょう。
    いずれにしてもIT化が叫ばれて久しく、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本格化へ向かっている今、マイナンバーとマイナンバーカードの意義を冷静に正しく理解して今後の無駄のない行政運営と国民の財産情報保護のあり方を考えていくのが最善と考えます。
    マイナンバーカード総合サイト|マイナンバーカードについて

     

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。