公認会計士・税理士熊谷亘泰事務所

公認会計士試験について|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

お問い合わせはこちら

公認会計士試験について|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

公認会計士試験について|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

2026/05/23

目次

    はじめに

    5月24日に公認会計士試験の一つである短答式試験という試験が実施されます。筆者である私は21年前、20年前の5月と2回短答式試験を受験しています。公認会計士は弁護士(司法試験)、不動産鑑定士とともに「三大難関国家資格」の一つとされ、合格率数%の難関とされています。
    今回は私が試験を受験して20年の節目にあたり、公認会計士試験の特徴について公認会計士の役割を交えて取り上げ、難関である公認会計士になる意義について公認会計士の一人としてお話しします!

     

    公認会計士の役目

    試験制度について話す前に試験の意義ともかかわる公認会計士の役目について触れます。
    公認会計士法第1条には、公認会計士の使命として「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」と規定されています。かみ砕きますと

    • 監査と会計のプロ
    • 財務情報を中心に企業が提供する情報が信頼できるかどうかを保証し、事業活動や投資家・債権者など企業の利害関係者を保護
    • 上記の業務を通して安心して経済活動ができるようにし、健全な発展に寄与

    となります。
    具体的な業務として公認会計士法第2条に、

    1. 他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすること
    2. 他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずること

    と規定され、このうち1.の財務書類の監査及び証明は公認会計士にのみ認められているいわゆる「独占業務」です。ここでいう監査及び証明は「他人の求めに応じ報酬を得て」という文言がある通り、依頼する企業から見て部外者として監査報酬を得て行います。したがって企業役員である監査役や監事が行う監査や、内部監査とは異なります。
    監査や証明を部外者として行う意義は先述の「企業が提供する情報が信頼できるかどうか」を利害関係にとらわれることなく企業情報を利用する関係者から見て公正に行うためであり、公認会計士法第1条の2にも「公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」と規定されています。そのため、公認会計士や公認会計士が組織した法人である監査法人が財務書類の監査及び証明の依頼を受け引き受けるにあたっては、出資や貸借、役員就任、別の取引など利害関係がないことを確認したうえで引き受けの判断をします。また、特別待遇での取引や成功報酬の禁止など利害を引き起こす関係が生じないようにしています。
    また、2.の業務については必ずしも1.の業務のような厳しい独立性要件はありませんが、その時の依頼者の信頼にこたえられるよう一方の利害にとらわれない高い品位と絶え間ない知識及び技能の修得が求められます。したがって、倫理観と実務能力両方の高さが求められますが、それだけ利害関係者や依頼者からの信頼感も高い業務です。

     

    公認会計士試験の概要

    ここから公認会計士試験について概要に触れます。
    公認会計士試験は、「短答式」と呼ばれる選択回答式の1次試験と「論文式」と呼ばれる記述式の2次試験があります。「短答式」は年2回、12月と5月に実施され、「論文式」は年1回8月に実施されます。試験の申込にあたり資格や学歴、国籍などの要件はありません。
    「短答式」は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目について出題され公認会計士業務の基礎となる内容が問われます。合格基準は総得点の70%以上が基準とされ、合格すると2年間「論文式」の受験資格が得られます。なお、司法試験合格者、税理士試験合格者など別の国家資格試験合格者や大学教授、会計大学院履修者など一定の能力があると認められるものに対しては試験の全部または一部科目について免除制度があります。
    「論文式」は先述の通り直近2年以内に「短答式」に合格した者が受験でき、会計学(財務会計論と管理会計論が一体になった科目)、監査論、企業法、租税法の必須4科目と経営学、経済学、民法、統計学の選択科目1科目があります。合格基準は総得点の52%以上(年により変動があります)が基準とされます。論文式は記述式であることから文章問題が中心で短答式と比較し俯瞰的な知識の理解と応用力が求められます。また、選択科目の選択については選択科目の中に得意分野があればその科目を選択するケースが多いです。
    いずれの試験も開催地は財務局または財務支局の所在する東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、金沢、広島、高松、熊本、福岡、那覇で行われます。

     

    合格率と合格後

    ここでは、試験の合格率についてお話しします。直近の令和7年度試験においては「短答式」2回の受験者数が13,805名(欠席者・免除者除く)、合格者は2,409名で合格率17.45%、「論文式」は総出願者数に対する合格者の割合が7.4%となっています。つまり、単年度の数字だけ見ると合格者は100人のうち7、8人と難関試験であると言えます。ただし、総出願者数は前年、前々年に短答式試験を合格した人や短答式試験免除者が含まれており2、3年の論文式受験可能期間で見た合格率はもう少し上がります。なお、論文式受験者に対する論文式試験合格率は35.1%と論文式受験者の3分の1が合格していることになります。
    論文式試験合格者は1,636名、うち女性は392名で約24%を占めています。年齢別では合格発表日時点の年齢で20歳~29歳が87.5%を占め、続いて30歳~39歳が9.6%と20代・30代がほとんどです。近年は大学在学中合格者が増えており、論文式合格者全体の39.9%と約40%を占め、大学卒業者(大学院進学者除く)の46.8%との差が6.9%となっています。なお、合格者のうち最少は16歳、最長は54歳でした。収入に困らず勉強時間の取りやすいうちに受験する傾向が強くなっていると言えます。
    「論文式」に合格するとすぐに公認会計士資格が得られるわけではなく、日本公認会計士協会が運営する実務補習所での実務補習及び2年以上の監査業務や経理業務などの実務従事(実務従事期間は試験合格前の分も含みます)を経て日本公認会計士協会が実施する「修了考査」と呼ばれるより実務的な試験を合格すると公認会計士資格が得られます。「修了考査」は毎年12月に実施され、会計、監査、租税、経営、職業倫理について問われます。令和7年度における受験者に占める合格者の割合は76.4%となっています。

     

    英語問題の導入

    ここでは最新の話題として公認会計士試験における英語による問題の導入についてお話しします。これまで公認会計士試験は公認会計士として最低限の知識や応用力を確認する趣旨のためすべて日本語による出題でした。しかしながら、近年IFRS(国際会計基準)適用企業の拡大やグループ監査への対応等により英語との関わりが拡大しており、それに伴い公認会計士には一定の英語の能力が求められるようになってきています。そこで、令和9年度の短答式試験から財務会計論、管理会計論及び監査論の一部の問題に英語による問題が出題されることになりました。
    英語読解力が問われることになり新たな試験対策が必要になりますが、以下のリンクから閲覧できるサンプル問題を見る限り問題の内容そのものは基礎的な内容であるため会計監査専門用語の英単語をいくつかマスターすれば従来の試験問題と同じように解答できると思われます。
    公認会計士・監査審査会HP|公認会計士試験における英語による出題について

     

    税理士試験との兼ね合い

    最後に他の国家資格試験との兼ね合いについて触れます。
    公認会計士試験とよく比較されるのが同じ会計系の国家資格である税理士試験です。税理士試験では会計科目として簿記論と財務諸表論という科目があります。公認会計士試験の財務会計論に該当する科目であり、レベルはほぼ同程度と理解していただいてよいかと思います。また、税理士試験は税金のプロ資格であるため所得税法、法人税法、消費税法、相続税法など税法ごとに11科目に分かれており内容も実務的で幅広い税法知識が必要です。一方、公認会計士試験での租税法は複数の税法から出題されますが、法人税法が中心でどちらかというと申告実務で頻繁に登場するものが多いです。
    また、試験合格制度が異なり公認会計士試験は短答式試験合格の複数年度有効や論文式試験一部科目合格制度はあれど試験そのものの合格は全科目同時合格が必要です。一方、税理士試験は完全に科目ごとの合格制で簿記論、財務会計論、所得税法または法人税法及びすべての税法からいずれか2科目の合計5科目を合格すると税理士試験合格とされ数年に分けて合格を目指すことが可能です。
    公認会計士試験において税理士有資格者は短答式の財務会計論及び論文式の租税法、税理士試験科目のうち簿記論及び財務諸表絵論の2科目合格者は短答式の財務会計論が免除になります。一方、公認会計士または公認会計士となる資格を有する者は税理士試験全科目免除となり、登録のみで税理士資格を取得することができます。

     

    おわりに

    今回は公認会計士試験について直近の動向を交えてお話ししました。
    私が公認会計士試験を受験した時期はちょうど試験制度が見直された時期で、平成17年(2005年)度までは短答式と論文式の2段階の試験を合格すると「会計士補」という資格が与えられ実務補習と実務従事を経た後筆記と口述で構成される3次試験を受験する制度でした。また、大学卒業など一定の要件に満たない志願者には短答式試験の前に1次試験というものがあり、志願そのものに制限がありました。公認会計士の人数を増やし試験の門戸を広げるため、翌年度から平成18年(2006年)からほぼ現在の試験制度に近い形に変わりました。
    私は2006年に会計士試験に合格しているのですが、試験合格してもこれまでの「会計士補」のような資格がすぐに与えられなくなったため、合格し監査法人に就職してから顧客への説明に苦慮したものです。2006年当時の公認会計士試験合格者は3,108名で総受験者数に対する合格率14.9%が令和7年(2025年)が1,636名ですので合格者数、合格率共に減少しています。合格者数は翌年の平成19年(2007年)が最も多く4,041名(合格率19.3%)だったのですが、その後リーマンショックなどで一時監査法人が採用を絞ったため志願者数が減少したため合格者数も減少したのです。また、試験問題レベルが平易化しすぎ公認会計士の質の低下を懸念する声があったため合格基準が厳格化されたことも要因にあります。一方、2006年当時の大学在学中合格者は9.9%でしたので2025年の39.9%と比較しても大幅に大学在学中合格者の割合が増えています。つまり、学生のうちから将来に向けたキャリアの一つとして公認会計士を目指す傾向にあるといってよいでしょう。
    ここ3年は公認会計士の志願者数が増加傾向にあり「比較的収入が高い」「就職時のアピール力が高い」「キャリアが幅広い」「高度な力を発揮できる」といったイメージが後押ししていると思われます。

     

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。