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定額減税どのように減税する?|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

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2024/02/02

目次

    はじめに

    令和6年度税制改正大綱では、令和6年(2024年)に一人当たり4万円の定額減税を行う案が盛り込まれています。実際に法案が成立するかどうか、また減税額に変更があるかどうかはこのブログ記事をアップした時点では不明ですが、税制改正大綱を基に定額減税の詳しい内容、実際にどのように減税するのか解説します。
    今回の記事は令和6年(2024年)2月2日時点での改正法案による旨あらかじめお断りいたします。法案については、下記のリンクもご覧ください。
    財務省HP 令和6年度税制改正の大綱

     

    定額減税の概要

    まず、今回の定額減税について概要を説明します。令和6年(2024年)度の所得税について1人当たり3万円、個人住民税(都道府県民税及び市町村民税)について1人当たり1万円を減税するものです。
    対象者は令和6年(2024年)中の日本国内居住者が対象であり、日本国外在住で日本での所得があるため課税対象となるいわゆる「非居住者」は対象外です。定額減税の対象者は課税対象居住者本人のほか、同一生計にある配偶者や扶養親族も1人としてカウントして減税されます。ただし、日本国外在住の同一生計にある配偶者や扶養親族については所得税の減税対象者にカウントされる一方、住民税の減税対象者にはカウントされません。
    また、令和6年(2024年)の所得税額が3万円×減税対象人数以内、住民税所得割の額が1万円×減税対象人数以内の場合は課税額が限度となり減税しきれなかった金額について還付を受けることはできません。一方、課税対象者本人の令和6年(2024年)の合計所得金額(各種所得控除適用前の所得の合計)が1,805万円を超える場合は同一生計配偶者や扶養親族を含め所得税定額減税を受けることができませんし、令和5年(2023年)の合計所得金額が1,805万円を超える場合は同一生計配偶者や扶養親族を含め住民税定額減税を受けることができません。つまり、高所得世帯と低所得世帯にとっては恩恵がない可能性がある定額減税なのです。
    次の項目から具体的な減税の仕組みを解説します。減税適用の仕組みは、給与受給者、年金受給者、個人事業主等で仕組みが異なりますので3つのパターンに分けて解説します。

     

    給与所得者の減税のしくみ

    ここでは給与所得者の定額減税の仕組みについて解説します。給与所得者は給与や賞与を受け取る際に所得税と住民税の源泉徴収(住民税では特別徴収といいます)によりその都度税金を支払っています。そのため、定額減税は源泉徴収及び特別徴収による給与天引き額を減額する形で定額減税の適用を受けます。
    具体的には、所得税については令和6年(2024年)6月1日以降最初の給与または賞与の支給において適用されるとされており、お勤めの企業によっては夏のボーナスで定額減税が適用されるところが出てきます。6月1日以降最初の給与または賞与の源泉徴収額で定額減税を適用しきれなかった場合は次回以降の支給で使いきれるまで源泉徴収額の減税を受けます。掛け持ちで勤務されている場合は扶養控除等申告書を提出している勤務先(年末調整を受ける勤務先)でのみ適用されるため、二重で定額減税を受けることはありません。なお、令和6年(2024年)の途中で控除対象者に変動があった場合は年末調整で減税額を調整して所得税額が確定されます。
    一方、住民税については令和6年(2024年)6月支給分では定額減税は適用されず、令和6年(2024年)7月から令和7年(2025年)5月の11回で11分の1づつ特別徴収額が減額される形で適用されます。掛け持ちの場合特別徴収は1つの勤務先でのみ行われるため、こちらも二重で定額減税を受けることはありません。なお、住民税の定額減税では令和6年(2024年)の途中で控除対象者に変動があった場合でも令和6年(2024年)1月1日時点の現況で対象者が判定されるため事後的な調整はありません。
    もし、対象者本人が令和6年(2024年)6月以降最初の給与または賞与の支給を受けることなく退職(死亡含む)した場合で以後令和6年(2024年)中に給与を受けることがなくなる場合は、次項目の年金受給者の場合または自営業者(フリーランス)の場合の箇所をご覧ください。

     

    年金所得者の減税のしくみ

    次に公的年金を受けている場合の定額減税の仕組みを解説します。公的年金受給者は年金を受け取る際に所得税の源泉徴収や住民税の源泉徴収(特別徴収)が控除される形で税金を支払っています。そのため、定額減税は源泉徴収及び特別徴収による天引き額を減額する形で定額減税の適用を受けます。
    具体的には、所得税については令和6年(2024年)6月1日以降最初の公的年金支給において適用されるとされています。6月1日以降最初の公的年金の源泉徴収額で定額減税を適用しきれなかった場合は次回以降の支給で使いきれるまで源泉徴収額の減税を受けます。なお、令和6年(2024年)の途中で控除対象者に変動があった場合や給与所得を得ながら年金を受給している場合は確定申告(もしくは受給者本人死亡時の準確定申告)で減税額を調整して所得税額が確定されます。
    一方、住民税について年金から特別徴収を受けている場合については令和6年(2024年)10月1日以降最初の公的年金支給において適用されるとされています。10月1日以降最初の公的年金の源泉徴収額で定額減税を適用しきれなかった場合は次回以降の支給で使いきれるまで源泉徴収額の減税を受けます。なお、住民税の定額減税では令和6年(2024年)の途中で控除対象者に変動があった場合でも令和6年(2024年)1月1日時点の現況で対象者が判定されるため事後的な調整はありません。
    もし、対象者本人が令和6年(2024年)6月以降年金の受給なく死亡した場合は、次項目の自営業者(フリーランス)の場合の箇所をご覧ください。

     

    自営業者(フリーランス)者等確定申告対象者の減税のしくみ

    ここでは、特に給与や年金の受給がなく確定申告で税額を確定させて納税する自営業者(フリーランス)者等の場合の定額減税の仕組みを解説します。
    所得税については令和5年(2023年)度確定申告の結果令和6年(2024年)7月と11月に予定納付がある場合、7月の第1期予定納税額から減額される形で減税を受けます。もし、7月の第1期予定納税額では定額減税を適用しきれなかった場合は11月の第2期予定納税額から残額を控除し、第2期予定納税額でも適用しきれなかった場合は令和7年(2025年)2月16日から3月17日までの令和6年(2024年)度確定申告時に定額減税の残額が適用されます。予定納付がない場合は確定申告時に適用されます。もちろん、最終的な定額減税額は確定申告(もしくは死亡や国外出国時の準確定申告)時に確定されます。
    住民税については令和6年(2024年)6月以降の第1期納付分から納付額が減額される形で減税を受けます。もし、第1期納付分で定額減税を適用しきれなかった場合は第2期納付分以降使いきれるまで納付額から減税分が控除される形で減税を受けます。住民税の定額減税では令和6年(2024年)の途中で控除対象者に変動があった場合でも令和6年(2024年)1月1日時点の現況で対象者が判定されるため例年5月から6月に届く1年間の住民税の通知以降納税額の変更はありません。
    なお、受給していた給与や年金から住民税の特別徴収を受けていた定額減税対象者本人が住民税の定額減税を全額受けることなく途中で死亡したり、退職して給与を受けなくなったりした場合普通徴収に切り替わりお住まいの市区町村から住民税の納付書が届き住民税の未納額を直接納付することになりますが、住民税定額減税の未適用残額は納付書で直接納付する未納額から減額されることにより適用されることになります。

     

    おわりに

    今回は、定額減税について解説しました。今回の定額減税は税金還付や給付金の形で入金されるわけではないため、減税されたタイミングでは減税の実感が湧かないものと思われます。もし、減税されたと国民が実感するには非課税給付金のほうがいくらかは感じるのではないでしょうか。今回のブログ記事は今後定額減税が実施されたときに減税されたことを少しでも感じることができるようタイミングを伝える目的が大きいのです。
     

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