公認会計士・税理士熊谷亘泰事務所

事業承継シリーズ1 事業承継に当たって検討すべき事項|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

お問い合わせはこちら

事業承継シリーズ1 事業承継に当たって検討すべき事項|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

事業承継シリーズ1 事業承継に当たって検討すべき事項|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

2022/03/29

目次

    はじめに

    今回から5回にわたって中小企業向けに事業承継及びM&Aについて検討する際に押さえておきたい事項をお話いたします。
    近年経営者の高齢化で事業を継続するかしないか、継続する場合どのような形で継続するかお悩みの企業が増加しています。お悩みになる原因は様々あります。今回は特にお悩みを整理し、課題を明確にするためのヒントを提供いたします。今回の記事を通して事業継続に関してお悩みの方のモヤモヤが少しでもすっきりすれば幸いです。

     

    近年の業績と今後の見通し

    御社の近年の業績はいかがでしょうか?売上だけではなく利益は上がっていますか?売上が上がっていても利益が上がっていなければ事業継続をしても苦しい経営が続きます。そもそも利益がわからない状態で事業承継するか否かの判断をすると、継続できると思ったら倒産した、廃業したら機会損失が出てもったいない思いをするような誤った判断をする結果になります。まず、御社の現状を客観的に知ることが重要です。現状が悪いからと言って必ずしも廃業しなければならないわけでなく、承継を機に事業経営の見直しを行うことで改善させることも可能です。
    現状把握を客観的に行うための情報はいくつかありますが、特に参考になるのが数字ではっきり表れる会計情報、財務情報です。年度末の決算や確定申告の際にまとめて記帳し業績がわかる状態では、現状を正確に把握する機会が少なく急激な事業環境の変化に追いつかなくなり誤った現状認識をすることになります。そこで、少なくとも月に1回は決算を行いこまめに現状認識をすることで正確な現状理解につながります。そして正確な現状理解を基に事業承継後の方向性を定めることで大きな失敗を防ぐことができるのです。

     

    後継者・後継企業の有無

    最近多いお悩みが後継者・後継企業候補が見つからないことではないでしょうか。事業承継はそもそも承継する先がなければ実現しません。かつては親子など親族内で承継することが多かったですが、近年は親族が別の職業で事業承継に消極的なケースも少なくありません。そのためか、別の企業が買収・承継するM&Aや親族以外の人が承継するケースも多くあります。いずれにしても、後継候補者・企業を見つけることが事業承継を前に進めるかどうかの最重要点です。見つけ方は経営者自ら探る方法もありますし、近年はより幅広く効率的に探すためM&A仲介企業を利用するケースも多くあります。その後後継候補者・企業が見つかったら現状の共有と事業承継、M&A後の方向性について綿密にコミュニケーションを図ります。せっかく候補者・企業が見つかっても情報の共有ができていないとなかなか前に進まず場合によっては長期間進展のないまま破談となり、事業継続断念となったり事業承継が進まないまま経営が悪化したりすることになります。
    後継者・後継企業を見つけることはよくお見合いにたとえられます。見つかって話を進めても経営方針や企業の価値観で互いの思いが合わず破談することもあります。まず、承継元、承継先共に自らの思いや価値観を相手に伝えると共に相手の思いや価値観を理解するよう努めましょう。早めに相手を理解することで相違点について折り合って交渉を続けるかあるいは破談にするか早く意思決定ができ、事業承継に無駄な時間やコストを使わずに済みます。

     

    法律・契約上の制限

    後継者・後継企業が見つかり、お互いの価値観があったり、折り合いがついたりする状態になっても法律・契約上の制限が事業承継の壁になることもあります。
    よくあるケースは以下の通りです。
    1.経営者以外の株主がいる場合、その株主が事業承継時の株式譲渡に反対しているため株主総会の株式譲渡決議が否決され事業承継ができない
    2.経営者保証付きの借入金がある場合、融資した銀行が保証の解除または保証人の引継を拒否している
    3.規制事業をM&Aで他の企業に譲渡する場合、事業免許・許可の引継ができない
    以上のケースはいずれも事業承継やM&Aが全く不可能になるわけではなく株主や銀行、免許・許可を付与する公的機関と事業承継に関してコミュニケーションを図り、理解を得て必要な手続きをすれば解決できる可能性があるものです。場合によっては弁護士や税理士、公認会計士、事業承継コンサルタントなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。

     

    事業承継の方法

    事業承継、M&Aにはいくつか方法があります。詳細は次回詳しく触れ、今回は主な方法だけ列挙します。
    1.株式(事業)譲渡
    2.合併
    3.事業分割
    4.株式交換
    5.株式移転
    このうち、個人事業で可能な方法は1.事業譲渡のみです。また、4.株式交換と5.株式移転は株式会社同士の場合にのみ利用できる方法です。必要なところだけ承継するかそれとも包括的に引き継ぐかが検討事項になりますし、株式の贈与か金銭の授受をするのかも上記の方法を選択するうえで検討事項になります。

     

    事業承継に係る費用・税金

    事業承継やM&Aは事業買収対価としての金銭がかかることがある他、以下の費用がかかることがあります。
    1.事業資産・株式売却益に関する法人税・所得税(売却側の企業にかかります)
    2.みなし配当の発生による所得税(配当を受け取ったとみなされる株主にかかります)
    3.仲介会社を利用した場合の仲介手数料
    4.新会社を設立する場合の登記費用及び司法書士報酬
    5.買収企業評価(デューディリジェンス)を行う場合の専門家(税理士・公認会計士・弁護士・社労士等)報酬
    特に仲介会社を利用する場合手数料体系がその会社によって異なるため、利用する前に料金体系及び料金見積もりを確認することをお勧めします。
    詳細は次回以降お話する予定です。

     

    おわりに

    今回は事業を継続するか否か判断する際の検討事項を概括的にお話いたしました。次回以降、以下のテーマで検討事項を具体的かつ深く検討するためのヒントを提供いたします。
    第2回 事業承継・M&Aの形式(スキーム)

    第3回 事業承継・M&Aの流れ

    第4回 事業承継・M&Aにあたっての資産・負債の整理

    第5回 事業承継・M&Aにおける税金

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。