公認会計士・税理士熊谷亘泰事務所
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ワーケーションを考える

ワーケーションを考える

2021/09/24

ワーケーションを考える

近年増えつつあるワーケーションについて独立開業者の一人の立場から様々な角度で考えを挙げます

ワーケーションを考える

今回は投稿が9月のシルバーウイークということもあり、普段の投稿とは違うことをアップしようと思いました。私自身興味があるワーケーションについて私なりの考えを述べることにしました。
これまで私は会計士として監査法人に勤務していた時代は、事務所に通勤したり、お客様(クライアント)のオフィスに訪問・出張したりするのが勤務スタイルでした。独立開業してからは自宅にある事務所スペースで勤務するスタイル中心にお客様(クライアント)のオフィスに訪問・出張したりするのが勤務スタイルです。
そこで、今回はワーケーションをするにあたって課題になりそうな点を様々な角度で考えます。

1.ワーケーションをする目的

そもそもワーケーションをする目的は何でしょうか?気分転換でしょうか?仕事の能率アップでしょうか?はたまた、新たな出会いの発掘でしょうか?
いろいろ目的があると思いますが、一番の目的は働く目的を研ぎ澄ませることではないかと私は思います。私は普段自宅兼事務所で作業しこの記事を書いていますが、打合せや監査のため、クライアント(お客さま)のところへ訪問して作業することもあります。訪問すると自分の事務所で話を聞くよりも五感でお客様の話を聞くことが出来ます。五感を使うことで使命感が高まります。
翻ってワーケーションですが、事務所ともクライアント先とも全く関係ない場所で作業することが多いと思いますが、別な場所で作業し、違うことをすると普段と違う感覚で五感が研ぎ澄まされ、働く目的を見いだす時間ができるのではないかと思うのです。私もかつて違う環境で作業するためにわざわざホテルに宿泊したことがありますが、五感が研ぎ澄まされ、働く目的を見いだした体験があります。ですから、ワーケーションは場所や頻度以上に「違う環境」身をにおけるかどうかが重要だと考えています。

2.自分の仕事の内容

ワーケーションを行うには、違う環境にあっても作業できるかどうかが判断基準になります。工場で物を作る仕事、お店での接客は工場やお店以外で行うことは極めて困難です。一方、工事や運送はその時々で現場が変わる、つまり環境が変わる仕事でしょう。私のようなデスクワーク中心の職種では、作業道具の移動さえできれば比較的容易かと思います。
ワーケーションは「違う環境」に身をにおいて「働く目的」を研ぎ澄ませることだと申し上げました。作業に必要なものが固定され、ワーケーションが困難な工場やお店で「働く目的」を研ぎ澄ませるにはどうするば良いのでしょうか?場所が固定されても「違う環境」に身をにおく工夫をすればよいのではないでしょうか。担当する作業をこまめに変えるなど職場に変化を持たせることで多少はワーケーションが困難なデメリットを補えるのではと思います。

3.ワーケーションできる場所

ワーケーションは、「普段」働く場所があって違う場所で働くことです。「普段」働く場所がある理由は何でしょうか?その場所でないと物理的に作業できないケースもありますが、所属する企業のオフィスで作業するものという考えでなんとなくというケースもあるのではないでしょうか。
その場所でないと物理的に作業できないケースの具体例を挙げますと、工場で道具や機械設備を使って物を作る、お店での接客は勿論ですが、作業に必要な書類がオフィスにある、危険物を取り扱うなどが挙げられます。作業に必要な書類がオフィスにある場合、電子データ化したり、機密情報が多い場合人から離れた場所を選んだりすることで場所の制限がある程度解消します。
私の仕事である会計・税務の業務の場合、機密情報が大量にあり厳しい守秘義務が課されているため、ワーケーションは可能ですが、場所選びには相当気を遣います。やむを得ず人との距離が取れない場合、機密情報を扱う業務は行わないよう気を付けています。

4.ワーケーション先への移動

ワーケーションは違う場所で働くことですから、移動が必要です。移動するには時間がかかります。移動中は業務をするでしょうか?自家用車や自転車での移動ですと運転で手足をとられますので移動に専念することになりますが、交通機関を利用すると移動中も業務をすることが出来ます。
ところで、ワーケーションの目的は働く目的を研ぎ澄ませることという私なりの考え方に当てはめてみますと、移動中業務をすることに意義があるのでしょうか?移動中の作業をしている中で働く目的を見いだせるるかどうかによるのではないかと思います。私も交通機関で移動中に作業することが多々ありますが、「普段」と異なる環境であることには変わりがないので、気分をリフレッシュしつつ作業できることが多いです。時には業務に追われる気持ちになることもありますが…
いずれにしても、ワーケーションの移動中に作業するかどうかは自分の気持ちと相談して機密情報管理に留意しつつ判断すればよいのではと私は考えています。

5.情報管理

場所を選ぶとき、機密情報の管理との兼ね合いで選ぶことがあると申し上げました。ワーケーションをして働く目的を研ぎ澄ませる以上に、機密情報が漏洩して信用・信頼を失うことがあれば自らの働く意欲が下がるだけでなく、ワーケーションは危険だという不信感を与え、結果としてワーケーションが廃れることになりかねません。
そこで、ワーケーションの機会を継続するための機密情報漏洩防止策を具体的に挙げてみます。
・業務用サーバー、インターネット接続にVPNを使用する
・個部屋など物理的に隔離可能な場所で作業する
・紙の書類はなるべく紙のまま持ち出さず、やむを得ず持ち出す場合は機密書類専用ファイルに入れる
・やむを得ず人目に付く場所で機密情報を扱う作業する場合は、覗き見防止フィルターを使用する
・機密情報データをPC内に保存せず、セキュリティのかかる外部サーバーやクラウドに保管する
まずは機密情報に該当するファイルを特定することが重要です。機密情報に該当するかどうか判断がつかない状態、ファイルが整理整頓されていない状態であることが一番情報漏洩のリスクになります。

6.ワーケーション中のコミュニケーション

ワーケーションは違う場所で作業しますので、コミュニケーションをとるのに気が引けることがあります。また、コミュニケーションをとる際も物理的に取りにくくなります。実際に顔を合わせることが出来ない中でコミュニケーションを図る際の留意点を私なりに考えてみました。
・ワーケーション終了後元の環境に戻ってからのストレスが溜まらないようにするぞとの意識で、必要至急なやりとりはワーケーション中でもこまめにとる
・コミュニケーションの内容・緊急度によりツールを明確に使い分ける。私なりには緊急度が高い順に通話、チャット、メール、内容の重要度の順にメール、通話、チャットの順であると考えています。
・コミュニケーションをとる際は、明らかに雑談目的の場合を除き、コミュニケーションの簡潔に時間がかかることから、普段以上に話す内容を明確にする
とり方次第では、普段の環境よりもコミュニケーションが捗ることがあると私は感じています。

まとめ

ワーケーションについて考えをまとめますと、「違う環境」に身をにおいて「働く目的」を研ぎ澄ませるのが真の目的であるということです。その一方、「違う環境」に身を置くことによりコミュニケーションや機密情報管理で普段以上の注意が必要だということです。
私個人的には、旅行やドライブが好きであちこち出かけることで気分のリフレッシュと新たな気付きを得ているのですが、仕事を持ち込まず遊びだけの状態です。会計・税務の業務で機密情報が大量にあり厳しい守秘義務が課されているためワーケーションに向かないと思いこんでいる節があり、その思い込みを打破することも必要なのかもしれません。思い込みを打破するためには厳しい守秘義務の理由と義務を守るために必要なことを再確認して明確にすることではないかと思った今日この頃です。

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