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今年2026年の所得税、来年2027年の住民税|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!

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今年2026年の所得税、来年2027年の住民税

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2026/04/17

目次

    はじめに

    令和8年(2025年)度税制改正法案は、年度予算案が2月の衆議院解散総選挙の影響で審議時間が限られ4月にずれ込んだ一方で、3月31日の年度末ギリギリで成立しました。今回の税制改正の内容については昨年の年度末に以下の記事をアップしており、今回の改正事項はほぼ大綱通りの内容になっています。

    参考記事:令和8年度与党税制改正大綱

    今回は成立し確定した所得税の改正内容のうち、多くの人に影響がある改正事項を取り上げ今後の所得税がどうなるのかご理解いただけることを狙いとしています。なお、改正内容は翌年6月以降の住民税(個人都道府県民税及び個人市町村民税)にも影響するため、来年令和9年度の住民税への影響についても併せて説明します。

    なお、改正法案については以下のリンクもご参考ください。

    財務省HP|所得税法等の一部を改正する法律案新旧対照表

    総務省HP|地方税等の一部を改正する法律案新旧対照表
     

    基礎控除の引き上げ

    今回の税制改正でほとんどの人に影響するのが基礎控除額の引き上げです。昨年の税制改正では控除額の引き上げが5年ぶりに行われ引き上げ額も大幅でした。今年も所得水準引き上げと健保の加入基準となるいわゆる180万円の壁対策として基礎控除の引き上げが行われました。改正後の所得税の基礎控除額は以下の通りです。

    令和8年(2026年)・令和9年(2027年)における基礎控除額の一覧
     

    合計所得金額 基礎控除額
    489万円以下 104万円
    489万円超655万円以下 67万円
    655万円超2350万円以下 62万円
    2350万円超2400万円以下 48万円

    2400万円超2450万円以下

    32万円
    2450万円超2500万円以下 16万円
    2500万円超 なし

     

    令和10年(2028年)における基礎控除額の一覧

    合計所得金額 基礎控除額
    132万円以下 99万円
    132万円超2350万円以下 62万円
    2350万円超2400万円以下 48万円
    2400万円超2450万円以下 32万円
    2450万円超2500万円以下 16万円
    2500万円超 なし

     

    令和11年(2029年)から当面の間における基礎控除額の一覧
     

    合計所得金額 基礎控除額
    2350万円以下 62万円
    2350万円超2400万円以下 48万円
    2400万円超2450万円以下 32万円
    2450万円超2500万円以下 16万円
    2500万円超 なし

     

    なお、上記の基礎控除引き上げは所得税のみで今年度も住民税については現行と変更なく基礎控除額の引き上げはありません。そのため、住民税のほうが所得税より割高になる場合があります。参考までに住民税における基礎控除額の一覧を掲げます。
     

    合計所得金額 基礎控除額
    2400万円以下 43万円
    2400万円超2450万円以下 29万円
    2450万円超2500万円以下 15万円
    2500万円超 なし


    なお、今回の基礎控除額引き上げに伴い以下の所得控除の適用要件が同時に変更されます。

    1. 配偶者控除と扶養控除における同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件:58万円以下→62万円以下
    2. ひとり親控除におけるひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件:58万円以下→62万円以下
    3. 勤労学生控除における勤労学生の合計所得金額要件:85万円以下→89万円以下
    4. 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例における必要経費に算入する金額の最低保障額:65万円→69万円

     

    源泉徴収と年末調整への影響

    今回の税制改正では基礎控除のほか給与所得控除についても令和8年度以降の給与所得について一部引き上げがありました。具体的には給与収入が190万円以下の場合、65万円→69万円と4万円引き上げられます。基礎控除と合わせると給与収入が190万円以下の場合の所得控除最低額は104万円+69万円=179万円となり、所得の壁が180万円近くとなり、社会保険と税金でほぼ統一されることになります。

    改正後の給与所得控除の一覧を示すと以下の通りです。ここでいう給与収入には通勤手当や出張日当・実費など所得税非課税とされるものは除外されますのでご注意ください。

    課税給与収入 給与収入からの控除額
    190万円以下 69万円
    190万円超360万円以下 課税給与収入×30%+8万円
    360万円超660万円以下 課税給与収入×20%+44万円
    660万円超850万円以下 課税給与収入×10%+110万円
    850万円超 195万円

     

    上記の給与所得控除は今年12月の年末調整または来年1月以降の確定申告から適用されます。源泉徴収税額については毎年1月~12月の期間で適用されることから、今年2026年(令和8年)1月から適用されている源泉徴収額表はすぐには変更されず、来年2027年(令和9年)1月から今回の税制改正を反映した源泉徴収額表が適用されます。
    今年度の年末調整や確定申告での対応については、時期が近付きましたら別途記事をアップ予定です。

     

    住宅ローン控除等の延長及び見直し

    住宅ローン控除については今回の税制改正で適用期限が2030年(令和12年)12月31日までに延長されました。今回の延長においては認定住宅等に該当しない住宅について、

    1. 2027年(令和9年)12月31日以前に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅(登記簿上の建築日付が2028年(令和10年)6月30日以前のものを含む。)
    2. 建築確認を受けない省エネ基準適合住宅で登記簿上の建築日付が2028年6月30日以前のものの新築等

    のいずれにも該当しない場合は住宅ローン控除の適用が受けられなくなります。住宅ローン控除の控除率及び限度額は以下の通りです。
    なお、※は年齢40歳未満であって配偶者を有する者、年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者又は年齢19歳未満の扶養親族を有する者が適用を受ける場合の借入限度額です。

    住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
    認定住宅 2026年(令和8年)~2030年(令和12年) 4,500万円
    (※5,000万円)
    0.7% 13年
    ZEH水準省エネ住宅 3,500万円
    (※4,500万円)
    省エネ基準適合住宅 2026年・2027年(令和9年) 2,000万円
    (※3,000万円)

     

    認定住宅等の既存住宅の取得の場合
     

    住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
    認定住宅 2026年~2030年

    3,500万円
    (※4,500万円)

    0.7%

    13年
    ZEH水準省エネ住宅

    2,000万円
    (※3,000万円)

    省エネ基準適合住宅


    認定住宅等以外の住宅の新築等の場合(上記1.または2.に該当する場合に限る)

     

    居住年 借入限度額 控除率 控除期間
    2026年~2030年

    2,000万円

    0.7% 10年

     

    なお、住宅ローン控除は所得税の控除制度ですが、所得税を控除してもなお住宅ローン控除税額が余った場合翌年度の住民税額から最大97,500円を限度に控除されます。
     

    おわりに

    今回は3月31日に可決成立した令和8年度税制改正法案のうち、今年所得税で変更のある点を取り上げました。基礎控除や給与所得控除の引き上げなど多くの国民に影響のあるものについては早速今年度から適用されます。ただし、法令や実務対応の関係上実際に適用されるのは年末調整及び確定申告の時点からとなります。
    年末調整及び確定申告の時期が近付きましたら改めて記事をアップ致しますので是非ご覧ください!

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