公認会計士・税理士熊谷亘泰事務所

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2024/03/22

目次

    はじめに

    皆様はMICEという言葉をご存知でしょうか?ここでいうMICEはネズミの集団ではなく、大人数の集いのことです。MICEを通して地域の観光や経済の活性化に役立てようということで各地で取り組みが行われています。今回はこのMICEについて分かりやすく解説し、地域振興の一つの在り方について考えてみます。
     

    MICEとは?

    日本政府観光局(JNTO)ホームページによりますと、MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、大人数の集いです。大人数の集いが行われるとまず集いを行う会場が必要になります。会場を提供するホテルや会議場、展示場が稼働します。集いによっては飲食時間があり会場内での飲食の他、懇親行事や会場外での飲食提供の機会が生じます。参加対象者に開催地域外の人がいると移動と宿泊が必要になり、特に移動距離が長い場合はお土産としての物品販売の機会が生じます。こうしたまとまったビジネスの機会が生じることから各地でMICE誘致に取り組んでいるのです。
    経済効果は以上にとどまらず集い開催に必要な企画、参加申込管理、当日会場設営・後始末、音響照明、司会、広告宣伝にも及びます。集いによっては新たな会場の建設工事をする場合があります。こうして地域の発信や認知度向上に限らず、地域の幅広い業種において効果があるのです。次の項目から具体的にMICEそれぞれの性格と在り方についてお話しします。

     

    M:会議・研修と地域振興

    ここではMにあたる企業等の会議や研修について取り上げます。研修会の多くは職場内で行われることが多いですが、普段の活動場所での会議や研修は目の前の事項を決定したり学習するには良いのですが、中長期的に検討すべき事柄や理念など企業や組織の根本にかかわる事柄の会議や研修では仕事のことが気になってしまい余り集中できないことがあります。
    そこで、中長期的に検討すべき事柄や理念など企業や組織の根本にかかわる事柄については普段の職場から離れて議論しべき事柄だけに集中できる環境で行われることがあります。その集中できる環境を提供して地域振興につなげようという取り組みが行われています。中長期的なことや組織の根本にかかわる事柄を議論したり学んだりするにはそれなりの時間が必要です。そのため、こうした場所を変えての研修や会議では宿泊を伴うことが多くあります。つまり、宿泊による経済需要の掘り起こしができることから地域活性化策の一つになるのです。
    企業や組織によっては遠方に自前の研修施設や保養施設を持っていることがありますが、近年は維持費削減の観点から廃止しているケースがあります。むしろ自前の施設の建設には多額の費用がかかるため、多くの企業や組織ではコンベンション施設やホテルなどで開催するときだけ借りるケースが多いのではないでしょうか。社内、組織内ですとそれほど大規模にはなりませんが開催需要はそれなりにあるため継続的なイベント誘致による安定した経済効果が期待できるパターンであります。

     

    I:団体旅行の今後

    続いて、Iにあたる企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)について取り上げます。経済成長期には社内での慰安旅行や得意先を招待する報奨旅行がよく行われていました。ところが、バブル崩壊後必要経費としての優先順位が相対的に低い交際費や福利厚生費の削減によりこうした慰安旅行や報奨旅行は減少しました。
    一方、近年は人間関係を重視する風潮が出てきており、従業員満足度(ES)の向上や取引先を中長期的なパートナーとして大切にする観点から慰安旅行や報奨旅行を積極的に行う企業も増えてきました。慰安旅行や報酬旅行といっても単に一緒に娯楽を楽しむというよりも、先ほどの企業研修の要素を取り入れ宿泊先で研修をしたり、旅先において学びをする修学旅行的な要素を含める旅行が増えているようです。単なる慰安ではない旅行の場合、仕事や人生設計にも役立ちます。また、旅先に対する理解も深まり愛着向上にもつながることから、団体旅行にもそれなりの意義があるといえましょう。

     

    C:会合と経済効果

    M:企業等の会議や研修、I:企業等の行う報奨・研修旅行については、社内行事であることから人数はある程度絞られ中小規模のイベントとなります。ここからお話しするC:国際機関・団体、学会等が行う国際会議とE:展示会・見本市、イベントは参加者が多数となり比較的大規模なイベントです。まずこの項目ではC:国際機関・団体、学会等が行う国際会議について取り上げます。
    代表的なものとしては、例えばダボス会議のようなフォーラムと呼ばれる有識者会議、特に医療分野に多い学会があります。こうした会合は先述の通り開催すると多数の参加者が一堂に集まる特徴があります。そのため、イベントに伴う交通や宿泊、飲食、土産などの経済的な効果も大きくなります。また、大規模なイベントは参加者管理や会場設営、当日運営にも長時間の準備や多くの人手を必要とします。そのため、雇用効果やイベント周辺産業への経済効果もより大きくなります。一方、社内会議・研修・旅行と比較するとイベント需要そのものは少なく一過性になりやすい欠点があります。日本でもいくつかの都市で国際会議の誘致が行われていますが、1回の経済雇用効果は大きい半面効果の持続性も限られている特徴を理解し、国際会議のみならず観光PRや企業誘致など継続的な経済効果がある取り組みと組み合わせて行うことで地域活性化につながるといえます。


     

    E:魅せて商機に繋げる

    最後にE:展示会・見本市、イベントについて取り上げます。C:国際機関・団体、学会等が行う国際会議はダボス会議など一部のイベントを除くと開催地が持ち回りになったり、そもそも継続的なものでなかったりするなど効果が一過性になる欠点があると申し上げました。一方、大規模なイベントであってもE:展示会・見本市、イベントについては開催地自らが主催し定期的に開催することによって継続的な経済効果が得られるメリットがあります。もちろん、オリンピックなど別個主催団体があり開催地が持ち回りになるものもあります。
    C:国際機関・団体、学会等が行う国際会議と比較すると参加対象者の幅がより広く不特定多数になる特徴があり地域への経済効果は大きく可能性を秘めています。また、展示会など商業目的のイベントですとイベントそのものの経済効果だけでなく商機を拡げ新たなビジネスにつながる二次的な経済効果もあります。一方、参加者が不特定多数になると治安の面でのリスクは高まります。警備が不十分だとテロや犯罪が起こりやすくなりかえってイベント自体の価値を棄損しかねません。そのため、警備対象が広範になるE:展示会・見本市、イベントでは先述の3つ以上に十分な警備態勢を整えることができるかどうかが成否のカギになるといえます。

     

    おわりに

    今回はMICEについてお話ししました。MICEとよばれる4つの大人数の集いは近年のオンラインツールの普及でわざわざ移動しなくてもオンライン上で開催することが増えています。それでも、実際に行って直接人と触れ合うことで五感で感覚を研ぎ澄ませることで集う効果が高まることがあります。集合型のMICEの成否は集いの目的を満たすだけでなく目的を満たすためにより早く大きな効果をもたらすだけの環境を提供できるかどうかにかかっているといえます。そのためにも地域の魅力の再確認と引き出し、アピールがより重要になっているといえます。
     

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