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償却資産申告

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2026/02/13

目次

    はじめに

    固定資産税と聞くと土地や家屋など不動産に対してかかる税金と理解している方が多いのではないでしょうか?実は不動産以外にも固定資産税がかかるのです。不動産以外については市町村に申告をして申告結果に基づいて固定資産税が課税されます。今回は不動産以外にかかる固定資産税と課税の仕組みについて取り上げます。また、固定資産税がかかる資産とかからない資産についても説明します。
     

    固定資産税の課税対象のおさらい

    始めに固定資産税の課税対象をおさらいします。固定資産税は固定資産の所有者に対して所在地の市町村が固定資産の資産価値に対して課税する税金です。東京23区内にある固定資産に対しては東京都が都税の一つとして課税します。
    課税対象となる固定資産に該当するものとしては以下のものがあります。

    • 土地:田、畑、住宅地、塩田、鉱泉地(温泉など)、池沼、山林、牧場、原野などの土地
    • 家屋:住宅、店舗、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物
    • 償却資産:会社など(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど)、飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など

    固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して課税され、年4回分割で納付します。納期限は市町村によって異なります。
    以上までは地方税解説シリーズ⑤で取り上げましたが、今回は課税対象となる償却資産について次の項目でもう少し詳しく掘り下げます。

     

    課税対象とならない償却資産

    償却資産のうち課税対象になるのは、事業で使用しているものに限られ日常生活用として使用されているものには課税されません。また、事業用の償却資産のうち以下のものは固定資産税非課税となります。

    1. 自動車税・軽自動車税の対象となるもの
    2. 生物(鑑賞用を除く)
    3. 無形減価償却資産
    4. 繰延資産
    5. 美術品(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものや取得価額が1点100万円未満のものを除く)
    6. 棚卸資産
    7. 耐用年数が1年未満のもの
    8. 所有権移転外ファイナンスリース取引に係るリース資産で、その所有者(貸主)が取得した際の取得価額が20万円未満のもの
    9. 取得価額(1個又は1組)が10万円未満のもの(法人の場合は税務会計上固定資産勘定に資産計上したものを除く)
    10. 取得価額(1個又は1組)が20万円未満のもので3年間の一括償却としたもの

    以上の資産で特に注意が必要なものを詳しく解説します。
    1.自動車税・軽自動車税の対象となるもの:自動車の登録番号(ナンバー)が「○○9・・」「○○0・・」となっている特殊自動車(重機、農機など)には自動車税や軽自動車税が課税されません。よって、重機や農機などを事業用として使用している場合は公道を走行する車両であっても固定資産税の課税対象となります。
    5.美術品はかっこ書きにある通り、時の経過によりその価値が減少することが明らかなもので取得価額が1点100万円未満のものについては減価償却をすることになり、固定資産税の課税対象となります。
    10.については特に中小企業で誤りやすい項目です。10.で掲げられている資産は「一括償却資産」と呼ばれます。一方、中小企業では取得価額(1個又は1組)が10万円以上30万円未満のものについて年間300万円の範囲内で一括経費処理できる「少額減価償却資産特例」があります。固定資産税の課税対象の判定にあたっては一括経費処理の有無は関係なく、「少額減価償却資産特例」を適用して一括経費処理した減価償却資産については上記1.~8.に該当しない限り固定資産税の課税対象になります。

     

    償却資産の申告

    固定資産税は毎年1月1日の現況に基づいて課税されます。不動産については所在地の市町村(東京23区内では所在地を管轄する都税事務所)が登記簿または土地・家屋補充課税台帳に基づいて定期的に評価を行って課税を行いますが、償却資産は不動産と異なり公的な登録制度がありません。そのため、償却資産については所有する事業者が所在する市町村(東京23区内では所在地を管轄する都税事務所)に対して1月1日現在の償却資産の一覧を申告することになっています。これを償却資産申告といいます。
    申告する償却資産は償却資産のうち、前項で取り上げた非課税資産を除くものです。申告対象者は償却資産を所有している人のほか、

    • 償却資産を他に賃貸している人
    • 所有権移転外リースの場合、償却資産を所有している貸主
    • 所有権移転リースの場合、原則として償却資産を使用している借主
    • 割賦販売の場合等で所有権が売主に留保されている償却資産について原則として買主
    • 償却資産の所有者がわからない場合、使用している人
    • 償却資産を共有されている方(各々の持分に応じて個々に申告されるのではなく、「代表者(外○名)」という共有名義で申告します) 
    • 内装・造作及び建築設備等を取り付けた賃借人(テナント)等の方

    です。
    申告期限は毎年1月31日(土日の場合は翌月曜日)となっており、電子申告(eLtax)による申告が可能で税理士による代理提出も可能です。
    償却資産申告書は資産の種類(構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具器具及び備品の6種類)ごとに、以下の項目の取得価額合計を1枚目に記載します。

    1. 前年前に取得したものの
    2. 前年度中に減少したものの
    3. 前年度中に取得したもの
    4. 合計(当年度1月1日時点において申告対象となるもの 1.-2.+3.)

    また、2枚目以降は「種類別明細書」といい、個別資産ごとの内訳書となります。
    申告した償却資産の評価額合計が150万円未満(免税点)の場合は償却資産に対する固定資産税はかかりません。なお、償却資産申告書は原則市町村ごとに作成しますが、東京23区及び政令指定都市では区ごとに作成し免税点の判定も区単位の償却資産評価額合計で行います。

     

    不動産と償却資産の区別

    償却資産申告の概要を取り上げましたが、申告にあたって建物に付属する設備が家屋の一部となるのか、償却資産として家屋とは別個に申告する必要があるのかが実務上問題になることがあります。
    原則として、建物と不可分となっており別個に取り外しができないものは家屋の一部を構成し申告対象外となる一方、別個に移動や取り外しができるものは償却資産として申告対象になります。例としては、

    • 造作など建物自体の内装は「家屋の一部」
    • 監視装置や防犯カメラなどは「償却資産」
    • 水道やガスなどの配管は「家屋の一部」
    • 湯沸器は「償却資産」
    • 通常の換気設備は「家屋の一部」
    • 壁取付式のエアコンは「償却資産」
    • 台所の流し台やビルトインコンロは「家屋の一部」
    • 飲食店や社員食堂など事業用厨房設備は「償却資産」

    です。上記の附属設備は所得税法や法人税法上は建物とは別個の償却資産として分類されているため、誤って償却資産として申告し二重に固定資産税を取られることがないよう注意が必要です。
     

    おわりに

    今回は償却資産の固定資産税の課税と年回の申告についてお話ししました。固定資産税がかかる償却資産は事業用資産に限られますので、不動産にかかる固定資産税ほど気にかけないのではないかと思います。今後の税制の動向として国税当局と地方自治体との間でお互い課税に必要な情報の交換を推進することが挙げられています。嘉久志町村はこれまで以上に償却資産の申告漏れに厳しく対処するようになると思われます。
    長く使う資産を購入した際は法人税や所得税の申告だけでなく、市町村への償却資産申告つまり本来固定資産税の対象になる可能性があるとよく留意する必要があります。

     

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