今一度確認を!今年の所得税と住民税|札幌で税理士・公認会計士に相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!
2026/02/07
目次
はじめに
令和7年度税制改正で物価上昇と年収の壁対策に伴う所得税の基礎控除及び給与所得控除の引き上げが行われました。一方で6月以降の住民税については所得税と異なる扱いがありますので間違いやすいところです。
今回は確定申告シーズン到来にあたり、今一度最新の基礎控除及び給与所得控除について確認したいと思います。
所得税基礎控除の引き上げ
今回の確定申告で多くの人に影響するのが基礎控除額の引き上げです。令和7年度税制改正の当初案では、合計所得金額(各種所得控除適用前の所得)が2350万円以下の場合に現行48万円から10万円多い58万円に引き上げるとされていました。改正理由は平均所得水準上昇に伴う課税所得の下限引き上げなのですが、国会での議論の中でいわゆる年収の壁に配慮し課税所得下限をさらに上げるべきだとの意見があり以下の通り修正され、令和7年度税における基礎控除額は以下の通りとなりました。
| 合計所得金額 | 基礎控除額 |
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超2350万円以下 | 58万円 |
| 2350万円超2400万円以下 | 48万円 |
| 2400万円超2450万円以下 | 32万円 |
| 2450万円超2500万円以下 | 16万円 |
| 2500万円超 | なし |
つまり、今年度の基礎控除額はこれまでよりも多段階で小刻みになります。よって、今年度はより正確な所得額の把握が重要になります。確定申告にあたっては収入や所得がいくらくらいなのかを把握しておくと、受けることのできる基礎控除額の目星が付くようになります。
住民税の基礎控除
ここまで所得税の基礎控除額について解説しましたが、基礎控除は住民税にもあります。
ここでは、2026年(令和8年)6月以降適用される住民税の基礎控除について解説します。住民税の基礎控除額はこれまでも所得税の基礎控除額よりも少ない金額でした。令和7年度税制改正では住民税については基礎控除額の改正はなく、基礎控除額は以下の表のとおり2025年(令和7年度)と同額になります。
| 合計所得金額 | 基礎控除額 |
| 2400万円以下 | 43万円 |
| 2400万円超2450万円以下 | 29万円 |
| 2450万円超2500万円以下 | 15万円 |
| 2500万円超 | なし |
つまり、所得税の基礎控除額よりも少額になります。理由は明確ではありませんが、地方自治体の財政負担に配慮して住民税については基礎控除額の引き上げが見送られたと思われます。
いずれにしても、所得税の基礎控除額が引き上げになり所得税額が下がったからといって必ずしも住民税も下がるとは限りませんので、十分に留意したいところです。
給与所得控除
令和7年度の税制改正では給与所得を計算する際に給与収入から控除する金額も引き上げられ、こちらは基礎控除とは異なり2026年(令和8年)6月以降の住民税の計算においても控除額が所得税のものと同額に引き上げられます。主な理由は低所得者の賃金引上げ促進で、対象者は年間の給与収入が190万円以下の方です。具体的な変更額は、
- 給与収入が162.5万円以下 55万円→65万円
- 給与収入が162.5万円超180万円以下 給与収入×40%-10万円→65万円
- 給与収入が180万円超190万円以下 給与収入×30%+8万円→65万円
- 給与収入が190万円超 現行通り
です。改正後の給与所得控除の一覧を示すと以下の通りです。ここでいう給与収入には通勤手当や出張日当・実費など所得税非課税とされるものは除外されますのでご注意ください。
| 課税給与収入 | 給与収入からの控除額 |
| 190万円以下 | 65万円 |
| 190万円超360万円以下 | 課税給与収入×30%+8万円 |
| 360万円超660万円以下 | 課税給与収入×20%+44万円 |
| 660万円超850万円以下 | 課税給与収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円 |
昨年2025年(令和7年)の12月に年末調整を受けている場合、年末調整対象となる給与所得の範囲内ではありますが、既に上記の控除額が適用されています。
年末調整で完結する場合でも確定申告で有利になる場合がある?
通常所得が1か所の勤務先からの給与所得のみの場合、所得税計算は年末調整で最終確定されます。ところが2025年(令和7年)度においては1か所の勤務先からの給与所得のみの場合でも確定申告をすることで所得税が最終確定するケースがあります。
2025年(令和7年)度の所得税の基礎控除額及び給与所得控除の適用時期は2025年(令和7年)12月1日からでした。そのため、2025年(令和7年)度の給与または賞与の最終支給が11月であった場合、年末調整で適用される控除額は2024年(令和6年)のものとなります。よって、本来適用される基礎控除額よりも少なくなるケースが生じるのです。
この場合、確定申告時期においては2025年(令和7年)度の所得税の基礎控除額が適用されるため、確定申告をすることで所得税を還付または減額を受けることができる場合があります。2025年(令和7年)度の給与または賞与の最終受給が11月30日以前でしたら、他の所得や年末調整で適用できない控除がない場合でもぜひ確定申告をすることをご検討願います。
おわりに
今回は令和7年度の確定申告で特に注意が必要な基礎控除と給与所得控除について取り上げました。改正適用時期が12月からとなっていた関係で年末調整においては前年度以前の低い控除額が適用されたケースがあります。
年末調整が行われるといっても所得税の最終決定ではありませんので、繰り返しになりますが2025年(令和7年)度の給与または賞与の最終受給が11月30日以前でしたら、普段は確定申告をしない場合でもぜひ確定申告をするようにしてください!
還付申告の場合、3月16日の申告期限を過ぎても5年間は申告することができますので、慌てずに時間の余裕がある時に行ってください!


