地方税解説シリーズ①|札幌で税理士・公認会計士に無料相談ご希望の方は熊谷亘泰事務所へ!
2025/06/06
目次
はじめに
日本は多くの種類の税金がありますが、特に多いのが地方自治体が課税できる税金、地方税です。地方税の課税対象は幅広く体系的な理解が家計や事業経営、資産活用の管理に大いに役立ちます。
そこで、今回から地方税についてどのような形になっているのか理解できる解説シリーズを10回にわたってお届けいたします。各回のテーマは以下の通りです。
第1回 地方税の種類(今回)
第2回 個人所得課税
第3回 法人所得課税
第4回 事業税
第5回 不動産課税
第6回 自動車課税
第7回 事業所税
第8回 その他の地方税
第9回 法定外税
第10回 国民健康保険
番外編 宿泊税
地方税課税の根拠
日本では地方自体が課税する税金について国の法律である地方税法に定められています。地方税法には総則のほか各種税金の取り扱いについて規定されています。地方自治体の裁量で決定できる事項があり、かつ、課税権そのものは地方自治体であるため、地方税法では全国共通の規定や最良の可否などについて規定され、個別的な規定は各地方自治体が条例で定める形をとっています。そのため、このシリーズでは地方税法に規定される共通部分を中心に取り上げ、具体的な説明のため、例として個別の地方自治体の条例を取り上げる形にします。
地方税優先の原則
地方税の種類の話に入る前に地方税の特徴について1つお話しします。地方税は万が一滞納した場合課税自治体が他の納税者の債権に先立って徴収することができます(地方税法第14条)。税金を滞納している状態が続くとお住いの自治体から不動産や預金などの財産を差し押さえられたという話がよくあるのは、地方税法の規定に基づくものです。対象となる地方税の指定はなく複数の地方税を滞納していると滞納している全種類の税金に対して差し押さえをすることになります。国税よりも納税者数及び税収が限定され地方自治体の貴重な財源となることから長期間の滞納には厳しい手段で対応するのです。
課税対象による分類
地方税は様々な課税価値に着目して制度設計されています。ここでは課税対象別に分類します。
- 個人の所得に対する税:個人住民税 、個人事業税
- 法人の所得に対する税:法人住民税 、法人事業税
- 不動産の売買や所有に対する税:固定資産税 、都市計画税 、不動産取得税
- 自動車関連の売買や所有に関する税:自動車税・軽自動車税 、軽油引取税
- モノやサービスの消費・利用に関する税:地方消費税 、地方たばこ税 、ゴルフ場利用税、入湯税
- その他:事業所税、森林環境税及び森林環境譲与税、鉱区税 、狩猟税 、国民健康保険税、その他地方税
課税自治体による分類
地方税は地方自治体が課税します。また、日本における地方自治体は都道府県と市町村の2種類があります。ここでは、都道府県または市町村いずれが課税するのかで分類します。
- 都道府県税:個人住民税のうち個人都道府県民税、個人事業税、法人住民税のうち法人都道府県民税、法人事業税、不動産取得税、自動車税、軽油引取税、地方消費税、地方たばこ税のうち都道府県たばこ税、ゴルフ場利用税、森林環境譲与税のうち都道府県配分額、鉱区税、狩猟税など
- 市町村税:個人住民税のうち個人市町村民税、法人住民税のうち法人市町村民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、地方たばこ税のうち市町村たばこ税、入湯税、事業所税、森林環境譲与税のうち市町村配分額など
課税方式による分類
税金の徴収の仕方は税金の種類により異なり、納税者が自ら計算して税額を申告する申告課税方式と、課税する自治体が計算して納税者に通知する賦課課税方式があります。ここでは、申告課税方式または賦課課税方式のいずれなのかで分類します。
- 申告課税方式:法人住民税、法人事業税、軽油引取税、地方消費税、地方たばこ税、ゴルフ場利用税、入湯税、事業所税、鉱区税、狩猟税など
- 賦課課税方式:個人住民税、個人事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、自動車税・軽自動車税 、森林環境税など
おわりに
今回は地方税について総則及び種類を概括的に取り上げました。税金の分類としては、上記で取り上げた分類のほか、課税対象者が自ら納税する直接税と課税対象者とは別の者が納税する間接税に分類する方法があります。課税対象者が容易に特定できる住民税や固定資産税、自動車税などは直接税、課税対象者が不特定多数であるたばこ税やゴルフ場利用税、入湯税などは間接税となっています。
次回以降、税目別に特に気を付けたい論点を9回にわたり取り上げます。


