国の月次支援金とは?
2021/06/10
月次支援金の受給対象者、手続を解説します!
月次支援金を受けられる人は?
6月16日㈬から経済産業省が主管する「月次支援金」の申請が開始されます。
給付対象者、必要な手続はもちろんのこと、過去の類似制度である「持続化給付金」や「一時支援金」との比較も解説します。
なお、当事務所は北海道札幌市にありますので、北海道や札幌市など道内自治体の給付金制度についてもお話します。この記事をご覧の他の都府県在住の方は、お住まいの都府県や市区町村の支援金サイトもぜひご確認ください。
給付対象者、必要な手続はもちろんのこと、過去の類似制度である「持続化給付金」や「一時支援金」との比較も解説します。
なお、当事務所は北海道札幌市にありますので、北海道や札幌市など道内自治体の給付金制度についてもお話します。この記事をご覧の他の都府県在住の方は、お住まいの都府県や市区町村の支援金サイトもぜひご確認ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/getsuji_shien/pdf/leaflet.pdf
月次支援金とは?
経済産業省の月次支援金ホームページに掲載されている詳細資料によりますと、「2021年の4月以降に実施される緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う、「飲食店の休業・時短営業」や「外出自粛等」の影響により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に月次支援金を給付し、事業の継続・立て直しやそのための取組を支援します」とあります。つまり、緊急事態宣言等で売上が減少した分を補填して資金繰りの維持を図るものと言えます。
支給対象者は、
1.対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けており、
2.2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少している中小法人または個人事業者です。
支給額は、
中小法人等:最大20万円/月
個人事業者:最大10万円/月
となっています。次の項目から対象者、支給額の計算について詳しく解説します。
支給対象者は、
1.対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けており、
2.2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少している中小法人または個人事業者です。
支給額は、
中小法人等:最大20万円/月
個人事業者:最大10万円/月
となっています。次の項目から対象者、支給額の計算について詳しく解説します。
影響を受けた事業者とは?
ここからは支給対象者について詳しく解説します。
まず「1.対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けている」について解説します。
この月次支援金は2021年4月以降が対象で、例えば5月分の月次支援金であれば、「5月中に発令された緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴って」「飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けている」事業者が対象になります。弊事務所のある北海道では5月中に緊急事態措置が取られ飲食店の休業・時短営業要請があり、外出自粛も少なくからずあったことから対象となる事業者はそこそこあると思われます。
ただし、上記の要件を満たしても支給されない事業者もあります。
1.休業・時短営業の要請を受け、協力金の支給対象となった飲食店等(協力金で補償されるため)
2.公共法人、風営法対象の風俗店、政治団体、宗教法人、暴力団を排除していない事業者
3.別の月の月次支援金または一時支援金で無資格受給、不正受給または不給付となった事業者
まず「1.対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けている」について解説します。
この月次支援金は2021年4月以降が対象で、例えば5月分の月次支援金であれば、「5月中に発令された緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴って」「飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けている」事業者が対象になります。弊事務所のある北海道では5月中に緊急事態措置が取られ飲食店の休業・時短営業要請があり、外出自粛も少なくからずあったことから対象となる事業者はそこそこあると思われます。
ただし、上記の要件を満たしても支給されない事業者もあります。
1.休業・時短営業の要請を受け、協力金の支給対象となった飲食店等(協力金で補償されるため)
2.公共法人、風営法対象の風俗店、政治団体、宗教法人、暴力団を排除していない事業者
3.別の月の月次支援金または一時支援金で無資格受給、不正受給または不給付となった事業者
月次売上を単純比較できない場合の売上減少判定
売上減少要件が「2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少していること」ですが、開業したてや法人成り、事業承継、M&Aなどで単純に前年・前々年比較ができない場合があります。
その場合は特例があり、
1.2019年1月~2021年3月開業の場合 開業年について、開業年の年間売上高÷開業年の設立後からの月数と比較可能
2.法人成り、事業承継、合併の場合 法人成り、事業承継、合併前事業者の前年・前々年同月売上高と比較可能
3.2018年又は2019年に地震や台風などで被災し罹災証明書等を交付されている場合 罹災した年又は罹災前年の同月売上高と比較可能
です。
また、比較年度の売上高は「最終的に確定した売上高は確定申告などにより公に届け出たもの」との考え方の下、月次売上高を申告しないいわゆる「白色申告」の個人事業者については、前々年度及び前年度の月次売上高は年間売上高÷12で算出した月平均売上高を月次売上高とみなして比較します。
その場合は特例があり、
1.2019年1月~2021年3月開業の場合 開業年について、開業年の年間売上高÷開業年の設立後からの月数と比較可能
2.法人成り、事業承継、合併の場合 法人成り、事業承継、合併前事業者の前年・前々年同月売上高と比較可能
3.2018年又は2019年に地震や台風などで被災し罹災証明書等を交付されている場合 罹災した年又は罹災前年の同月売上高と比較可能
です。
また、比較年度の売上高は「最終的に確定した売上高は確定申告などにより公に届け出たもの」との考え方の下、月次売上高を申告しないいわゆる「白色申告」の個人事業者については、前々年度及び前年度の月次売上高は年間売上高÷12で算出した月平均売上高を月次売上高とみなして比較します。
月次支援金における中小法人等と個人事業者
月次支援金は中小法人等及び個人事業者が支給対象となりますが、ここでは対象範囲について解説します。
まず、中小法人等ですが「資本金等10億円未満、または資本金等が定められてない場合従業員数2000人以下の法人」です。法人税法上の中小法人「資本金1億円以下、かつ資本金1億円超の完全子法人でない法人」や会社法上の中小会社「資本金5億円未満、かつ負債200億円未満」とは異なるため、特に法人税法上の大法人にあたる中堅企業の方はよくご確認ください。
次に、個人事業者は必ずしも所得税法の事業届出や自営業専業の必要はなく、フリーランスや出来高払いなど雑所得や給与所得で確定申告した事業者やバイト掛け持ちなどでも事業が主な取得であれば対象になります。むろん、雇用のみで収入を得ていたり、事業を副業として収入を得ている給与所得者は支給対象外ですので注意が必要です。
まず、中小法人等ですが「資本金等10億円未満、または資本金等が定められてない場合従業員数2000人以下の法人」です。法人税法上の中小法人「資本金1億円以下、かつ資本金1億円超の完全子法人でない法人」や会社法上の中小会社「資本金5億円未満、かつ負債200億円未満」とは異なるため、特に法人税法上の大法人にあたる中堅企業の方はよくご確認ください。
次に、個人事業者は必ずしも所得税法の事業届出や自営業専業の必要はなく、フリーランスや出来高払いなど雑所得や給与所得で確定申告した事業者やバイト掛け持ちなどでも事業が主な取得であれば対象になります。むろん、雇用のみで収入を得ていたり、事業を副業として収入を得ている給与所得者は支給対象外ですので注意が必要です。
いくらもらえるの?
次に支給額について解説します。
支給額は以下の算式で計算し、最高支給額は中小法人等の場合20万円/月、個人事業者の場合10万円/月です。
支給額=2019年又は2020年の基準月売上高ー2021年の対象月売上高
基準月売上高は原則、対象月と同じ月で2019年又は2020年の同じ月のいずれか売上高の高い月のものです。
ただし、基準月売上高は例外もあります。
1.白色申告の個人事業者 2019年又は2020年の年間売上高÷12
2.2019年1月以降開業の事業者で開業年について対象月と同じ月より後に開業した場合
開業年の年間売上高÷開業年の設立後からの月数
3.法人成り、事業承継の場合 法人成り前の個人事業者または過去事業を行っていた事業者の2019年又は2020年の対象月と同じ月の売上高
4.合併した場合 合併前の各事業者の2019年又は2020年の対象月と同じ月の売上高の合計
5.2018年又は2019年に被災し罹災証明書等が交付された場合 罹災した年又は罹災前年と同じ月の売上高
支給額は以下の算式で計算し、最高支給額は中小法人等の場合20万円/月、個人事業者の場合10万円/月です。
支給額=2019年又は2020年の基準月売上高ー2021年の対象月売上高
基準月売上高は原則、対象月と同じ月で2019年又は2020年の同じ月のいずれか売上高の高い月のものです。
ただし、基準月売上高は例外もあります。
1.白色申告の個人事業者 2019年又は2020年の年間売上高÷12
2.2019年1月以降開業の事業者で開業年について対象月と同じ月より後に開業した場合
開業年の年間売上高÷開業年の設立後からの月数
3.法人成り、事業承継の場合 法人成り前の個人事業者または過去事業を行っていた事業者の2019年又は2020年の対象月と同じ月の売上高
4.合併した場合 合併前の各事業者の2019年又は2020年の対象月と同じ月の売上高の合計
5.2018年又は2019年に被災し罹災証明書等が交付された場合 罹災した年又は罹災前年と同じ月の売上高
申請に必要な書類と手続
ここからは申請に必要な書類と手続について解説します。
申請に必要な書類は以下の通りです。
1.(中小法人の場合)履歴事項全部証明書(いわゆる登記簿謄本)
(個人事業者の場合)本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
2.税務署の収受印が押された2019年及び2020年の対象月が含まれる申告書
3.2019年1月から2021年対象月までの売上台帳
4.2019年1月以降の取引が載った預金通帳
5.宣誓・同意書(月次支援金HPからダウンロードします)
6.その他事務局が追加で必要と認める書類
1.本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなど写真と住所、生年月日が載ったものは1枚で構いませんが、パスポートや身分証明書などは住民票と組み合わせて本人確認書類となりますので、運転免許がなく、マイナンバーカードもない方は注意が必要です。
2.申告書を税務署で作成し提出した場合やe-Taxで申告した場合は収受印が押されないため、申告書に「受付番号」が入っているか、またはe-Taxの申告受信通知(メール詳細)のハードコピーで代替します。
4.無通帳口座を日常使用している場合は銀行のネットバンキングサイトなどからダウンロードできる預金取引明細で代替します。
6.その他事務局が追加で必要と認める書類については、取引先一覧表など実際に緊急事態宣言やまん延等防止措置の影響を受けていることがわかる書類を求められると思われます。
申請に当たっては不正受給防止のため、「登録確認機関による事前確認」が必要となります。事前確認は申請書類の確認や月次支援金の要件に関する質問で構成されています。登録確認機関は、商工会議所、銀行、税理士などが登録しており、当事務所も登録確認機関です。確認を依頼する機関については、顧問税理士がいる場合は顧問税理士、商工会議所会員は商工会議所、銀行借入がある場合は借入のある銀行に依頼することをお勧めします。確認作業が簡単になるためです。
なお、申請の手間をできるだけ省くため、過去に「一時支援金」を受給した事業者と2回目以降の月次支援金の申請の場合、提出書類は2021年対象月の売上台帳とその他事務局が追加で必要と認める書類のみとなり、登録確認機関による事前確認も不要です。
申請に必要な書類は以下の通りです。
1.(中小法人の場合)履歴事項全部証明書(いわゆる登記簿謄本)
(個人事業者の場合)本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
2.税務署の収受印が押された2019年及び2020年の対象月が含まれる申告書
3.2019年1月から2021年対象月までの売上台帳
4.2019年1月以降の取引が載った預金通帳
5.宣誓・同意書(月次支援金HPからダウンロードします)
6.その他事務局が追加で必要と認める書類
1.本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなど写真と住所、生年月日が載ったものは1枚で構いませんが、パスポートや身分証明書などは住民票と組み合わせて本人確認書類となりますので、運転免許がなく、マイナンバーカードもない方は注意が必要です。
2.申告書を税務署で作成し提出した場合やe-Taxで申告した場合は収受印が押されないため、申告書に「受付番号」が入っているか、またはe-Taxの申告受信通知(メール詳細)のハードコピーで代替します。
4.無通帳口座を日常使用している場合は銀行のネットバンキングサイトなどからダウンロードできる預金取引明細で代替します。
6.その他事務局が追加で必要と認める書類については、取引先一覧表など実際に緊急事態宣言やまん延等防止措置の影響を受けていることがわかる書類を求められると思われます。
申請に当たっては不正受給防止のため、「登録確認機関による事前確認」が必要となります。事前確認は申請書類の確認や月次支援金の要件に関する質問で構成されています。登録確認機関は、商工会議所、銀行、税理士などが登録しており、当事務所も登録確認機関です。確認を依頼する機関については、顧問税理士がいる場合は顧問税理士、商工会議所会員は商工会議所、銀行借入がある場合は借入のある銀行に依頼することをお勧めします。確認作業が簡単になるためです。
なお、申請の手間をできるだけ省くため、過去に「一時支援金」を受給した事業者と2回目以降の月次支援金の申請の場合、提出書類は2021年対象月の売上台帳とその他事務局が追加で必要と認める書類のみとなり、登録確認機関による事前確認も不要です。
持続化給付金、一時支援金との違い
月次支援金について解説しましたが、今一度理解しやすくなるよう過去の類似制度である持続化給付金と一時支援金と比較します。
持続化給付金、一時支援金、そして今回の月次支援金共にコロナ禍で過去の売上が50%以上減少と激減したことによる資金繰り維持のための支援金です。
しかし、昨年実施された持続化給付金では単に前年同月の売上が激減しているかどうかだけで判断していたため、本来の趣旨とは異なるコロナ禍の影響ではないケースや、事業をしていない人が事業者と偽るケース、売上月をずらして要件を満たそうとするケースが相次ぎました。そこで、2021年からの一時支援金・月次支援金では、緊急事態宣言やまん延等防止措置による飲食店の休業・時短要請や移動・外出自粛の影響がある場合に絞り、なおかつ、不正受給防止のため申請前の事前確認が導入されました。
また、一時支援金は2021年3月までが対象でしたが、その後も緊急事態宣言やまん延等防止措置が続いているため、柔軟に支援金が支給できるよう、月ごとに申請を受け付ける月次支援金制度になりました。
月次支援金はコロナ禍が収束し、緊急事態宣言やまん延等防止措置が必要なくなるまで続くと思われますが、今後の支援制度の動向は見通せないため常に最新の支援情報を確認しておきたいところです。
持続化給付金、一時支援金、そして今回の月次支援金共にコロナ禍で過去の売上が50%以上減少と激減したことによる資金繰り維持のための支援金です。
しかし、昨年実施された持続化給付金では単に前年同月の売上が激減しているかどうかだけで判断していたため、本来の趣旨とは異なるコロナ禍の影響ではないケースや、事業をしていない人が事業者と偽るケース、売上月をずらして要件を満たそうとするケースが相次ぎました。そこで、2021年からの一時支援金・月次支援金では、緊急事態宣言やまん延等防止措置による飲食店の休業・時短要請や移動・外出自粛の影響がある場合に絞り、なおかつ、不正受給防止のため申請前の事前確認が導入されました。
また、一時支援金は2021年3月までが対象でしたが、その後も緊急事態宣言やまん延等防止措置が続いているため、柔軟に支援金が支給できるよう、月ごとに申請を受け付ける月次支援金制度になりました。
月次支援金はコロナ禍が収束し、緊急事態宣言やまん延等防止措置が必要なくなるまで続くと思われますが、今後の支援制度の動向は見通せないため常に最新の支援情報を確認しておきたいところです。
北海道内における類似の支援制度
最後に北海道内の月次支援金に類似する支援金を紹介します。
1.道特別支援金
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/tokubetsushienkin/01top.htm
2020年11月~2021年3月に時短・外出自粛等により影響を受けた事業者のうち、売上が前年同月又は前々年同月比50%以上減少した時短要請を受けていない事業者が対象です。最大支給額は中小法人20万円、個人事業者10万円で、国の一時支援金受給者は対象外となります。申請期限は2021年8月いっぱいです。
2.【札幌市】経営持続化支援一時金
https://www.city.sapporo.jp/keizai/top/keizai/coronasien.html
上記の道特別支援金を補完するもので、2020年11月~2021年3月に時短・外出自粛等により影響を受けた事業者のうち、売上が前年同月又は前々年同月比30%以上50%未満減少した時短要請を受けていない事業者が対象です。最大支給額は10万円で、申請期限は2021年8月いっぱいです。
1.道特別支援金
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/tokubetsushienkin/01top.htm
2020年11月~2021年3月に時短・外出自粛等により影響を受けた事業者のうち、売上が前年同月又は前々年同月比50%以上減少した時短要請を受けていない事業者が対象です。最大支給額は中小法人20万円、個人事業者10万円で、国の一時支援金受給者は対象外となります。申請期限は2021年8月いっぱいです。
2.【札幌市】経営持続化支援一時金
https://www.city.sapporo.jp/keizai/top/keizai/coronasien.html
上記の道特別支援金を補完するもので、2020年11月~2021年3月に時短・外出自粛等により影響を受けた事業者のうち、売上が前年同月又は前々年同月比30%以上50%未満減少した時短要請を受けていない事業者が対象です。最大支給額は10万円で、申請期限は2021年8月いっぱいです。