総額表示どこまで対象なのか?
2021/04/02
総額表示どこまで対象なのか解説します!
2021(令和3)年4月1日から、価格をいわゆる税込価額で表示する「総額表示」が義務化されました。「総額表示」の義務化と言われても、どこまで総額表示に直す必要があるのかわからない方も多いと思われます。実際に当事務所でも関与先から総額表示の対象範囲について質問を受けました。
私も年明けからの年末調整、確定申告業務で総額表示にはあまり対応できていませんでしたが、今一度義務化された総額表示について確認すると、意外なものも総額表示の対象になることが分かりました。
今回は総額表示の対象について解説し、事業者様のスムーズな対応と顧客離脱の防止に少しでもお力にしたく考えております。
私も年明けからの年末調整、確定申告業務で総額表示にはあまり対応できていませんでしたが、今一度義務化された総額表示について確認すると、意外なものも総額表示の対象になることが分かりました。
今回は総額表示の対象について解説し、事業者様のスムーズな対応と顧客離脱の防止に少しでもお力にしたく考えております。
総額表示義務化の経緯
そもそも、総額表示義務制度そのものは2013(平成25)年10月1日から開始されていました。しかしこの時期は翌年に消費税率を5%から8%に引上げる時期と重なり、「便乗値上げ」との誤解や消費税率引上げ時の表示変更に対する負担に対する不安がありました。そこで、消費税転嫁対策特別措置法による特例措置で価格表示が「税込価格」と誤解されないような表示であれば税抜表示でも差し支えないことになっていました。
消費税転嫁対策特別措置法による特例措置が税率引上げ対策によることもあり、税率引上げが一段落する2021(令和3)年3月31日をもって終了することになったため、実質的に翌日の4月1日から義務化となりました。
消費税転嫁対策特別措置法による特例措置が税率引上げ対策によることもあり、税率引上げが一段落する2021(令和3)年3月31日をもって終了することになったため、実質的に翌日の4月1日から義務化となりました。
総額表示の方法
総額表示の方法ですが、先ず従来認められていた表示方法をおさらいします。財務省の「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方」に示されていた従来の表示例は、「○○○円(税抜)」や「○○○円+税」など表示価格が税込ではないことがわかるようにしたり、店内における掲示等により一括して税抜価格であることを明示したりしていました。
今回義務化された総額表示例は、「○○○円(税込)」や「○○○円(税抜○○○円)」、「○○○円(うち消費税○○○円)」など税込価格であることがわかる方法のほか、単に「○○○円」と税込価格を表示している方法も認められるようです。また、単に店内における掲示等により一括して税込価格であることを明示する必要はありませんが、消費者に親切だという印象をあたえるのではないでしょうか。
今回義務化された総額表示例は、「○○○円(税込)」や「○○○円(税抜○○○円)」、「○○○円(うち消費税○○○円)」など税込価格であることがわかる方法のほか、単に「○○○円」と税込価格を表示している方法も認められるようです。また、単に店内における掲示等により一括して税込価格であることを明示する必要はありませんが、消費者に親切だという印象をあたえるのではないでしょうか。
総額表示の対象範囲
ここから本題の総額表示の対象範囲について説明します。
消費税法第63条(価格の表示)によりますと、「(前略)不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」(かっこ書き省略)とあります。
つまり、不特定多数の消費者に対し販売やサービスの提供を行う際、あらかじめ価格を提示する場合にその価格を税込価格で表示しなさいということです。具体的にイメージしやすい例でいいますと、小売店での商品の値札、飲食店でのメニュー表(お品書き)、美容室での料金表などが挙げられます。
消費税法第63条(価格の表示)によりますと、「(前略)不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」(かっこ書き省略)とあります。
つまり、不特定多数の消費者に対し販売やサービスの提供を行う際、あらかじめ価格を提示する場合にその価格を税込価格で表示しなさいということです。具体的にイメージしやすい例でいいますと、小売店での商品の値札、飲食店でのメニュー表(お品書き)、美容室での料金表などが挙げられます。
この価格も総額(税込)表示するの⁉
不特定多数の消費者に対し販売やサービスの提供を行う際、あらかじめ価格を提示する場合という定義に当てはまるものとして、なかなかイメージしにくいものもあります。
例えば、
・訪問販売など商品カタログやパンフレットを用いて消費者に個別販売する場合
・サービス業者のホームページに料金表を掲載する場合
・会員制のフィットネスクラブやゴルフ場で会員価格を示す場合
があります。つまり、消費者に事前に価格を示す可能性があるものは、どのような業種でも総額(税込)表示をする義務があります。
例えば、
・訪問販売など商品カタログやパンフレットを用いて消費者に個別販売する場合
・サービス業者のホームページに料金表を掲載する場合
・会員制のフィットネスクラブやゴルフ場で会員価格を示す場合
があります。つまり、消費者に事前に価格を示す可能性があるものは、どのような業種でも総額(税込)表示をする義務があります。
対象外となるものの例は?
一方、価格を示すものであっても、不特定多数の人に対し販売やサービスの提供を行う際、あらかじめ価格を提示する場合という定義に当てはまらないものは総額(税込)表示の義務がありません。
1.「不特定多数の人に対し販売やサービスの提供を行う」に該当しない例
・事業者に対してのみ業務用品を販売する場合やサービスを提供する場合の料金表、カタログ、値札
・特定の専門分野に関する研修会やセミナーのパンフレット、案内
2.「あらかじめ価格を提示する場合」に該当しない例
・レシート、領収書、請求書など実際の支払・決済時に発行されるもの
・見積書、契約書など特定の消費者に対してのみ価格を示すもの
以上のケースであっても、総額(税込)表示することは特に問題ありません。
1.「不特定多数の人に対し販売やサービスの提供を行う」に該当しない例
・事業者に対してのみ業務用品を販売する場合やサービスを提供する場合の料金表、カタログ、値札
・特定の専門分野に関する研修会やセミナーのパンフレット、案内
2.「あらかじめ価格を提示する場合」に該当しない例
・レシート、領収書、請求書など実際の支払・決済時に発行されるもの
・見積書、契約書など特定の消費者に対してのみ価格を示すもの
以上のケースであっても、総額(税込)表示することは特に問題ありません。
まとめ
ここまで総額(税込)表示の範囲について解説しました。
消費者に対して、買うと実際にこれだけ払うことになることが一目でわかるようにするのが、総額表示義務化の趣旨であると言えます。お客様にいくらかかるのかパッと見てわかるように示すことは一つの親切でないかと私は思います。
当事務所では、特定の業種向けであってもパンフレットやホームページに掲載しております料金表を全て税込表示に変更しております。「義務だから」ということではなく、「お客様への配慮」という視点で総額(税込)表示対応されてはいかがでしょうか。
消費者に対して、買うと実際にこれだけ払うことになることが一目でわかるようにするのが、総額表示義務化の趣旨であると言えます。お客様にいくらかかるのかパッと見てわかるように示すことは一つの親切でないかと私は思います。
当事務所では、特定の業種向けであってもパンフレットやホームページに掲載しております料金表を全て税込表示に変更しております。「義務だから」ということではなく、「お客様への配慮」という視点で総額(税込)表示対応されてはいかがでしょうか。