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2022/01/28

電子データの保存に注意しましょう

 いきなりあおるようなタイトルですが、令和4年1月1日以降の取扱いを守っていないと取引の証拠なしとみなされる可能性があるのです。電子データで作成または入手した取引の証拠となる文書は令和4年1月1日以降電子データのまま、しかも、決められた方法で保存する必要があります。令和3年12月31日までは電子取引のデータで入手しても紙に印刷したものを保存していればよく、電子データのまま保存しても特に保存方法に決まりはありませんでした。この取扱いは所得税及び法人税の証拠書類として保存する場合に適用され、消費税については印刷した書面で証拠保存しても差し支えありません。
 具体的に対象となる電子取引ですが、「取引情報の授受を電磁的方法により行う取引」(改正電子帳簿保存法第2条第5項)のデータを指し、いわゆるEDI取引、ネット取引、Eメールなど電子通信(添付ファイル方式含む)による情報授受取引、クラウドサービスによる取引情報授受取引、スマホアプリを通じた取引などが該当します。もし、同一の取引情報を電子と書面両方で受け取った場合書面を正本とする場合は書面保存で差し支えありません。一方、電子取引のデータを一度紙に印刷しスキャニングして電子データ化したものは電子取引データともスキャン保存データとも両方認められませんのでご注意ください。
 なお、従業員が立替精算した経費が上記の取引に該当する場合(例:ネットでの出張に必要な交通機関・宿泊の手配、ネットショップでの備品立替購入)、対象の電子取引データを勤務先に電子データのまま提出し勤務先が決められた方法で保存するのが原則ですが、経費精算が紙ベースになっている実務に配慮し当面は従業員がPCやスマホに保存し勤務先は日付、取引先、取引金額を検索できるように保存状況を管理することも可能です。
【電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係編)Q1、Q2、Q3、Q4、Q6、Q7、Q8、Q21、追1、追7】

適用開始の時期

 電子取引データの決められた方法での電子保存は、令和4年1月1日以後行う電子取引から適用されます。12月末決算でない場合でも会計年度の途中から強制的に適用されます。一方、令和3年12月31日までの電子取引については改正後の決められた方法での保存はできず、検索機能確保の要件用が満たされない場合紙に印刷して保存することになります。なお、令和5年までの経過措置が令和4年度税制改正で講じられる予定です。詳細は後述します。
【電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係編)Q9,Q10】

電子保存に必要な要件

 電子取引データの保存は原則以下の方法で行うこととされています。
 1.自社開発プログラムを用いて保存する場合、システム概要を記載した書類の備付け
 2.ディスプレイ等の備付け
 3.検索機能の確保
 4.以下のいずれかの措置を行うこと
  ・タイムスタンプを付与したうえでの授受
  ・受領後速やかなタイムスタンプの付与
  ・訂正削除履歴の残るシステムまたは訂正削除ができないシステムの使用
  ・訂正削除防止に関する事務処理規程の整備と備付け
クラウドストレージなどデータ保管システムを使用して保存する必要はなく、通常のフォルダやドライブを使用しても構いませんが、タイムスタンプをつけるか、訂正削除防止に関する事務処理規程の整備と備付けのいずれかが必要となります。システムを使用しない場合例えば、
 1.2022年(令和4年)1月29日に(株)熊谷工業から受領した100万円の請求書のファイル名として"20220129_(株)熊谷工業_1000000”とする
 2."(株)熊谷工業"や"2022年1月分"など一定のグループ単位で作成したフォルダに格納する
という方法や
 1.ファイル名を連番の番号とする
 2.ファイル番号順の金額、取引先、書類種別を記載した索引簿を作成する
方法があります。電子帳簿やスキャン保存の場合と同様、クラウドサービスを使用して差し支えありませんし、バックアップ要件はありません。また、オンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能にシステム概要書と同等の内容が盛り込まれていれば改めてシステム概要書を製本し備え付ける必要はありません。
【電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係編)Q11、Q12、Q18、Q19、Q20】

具体的な保存方法

 保存方法に関しては先述の通り一定の要件を満たす必要がありますが、データの形式に関しては特に決められた形式はありません。例えば、メールの本文に取引情報が載っている場合は電子メールファイルそのものを保存する方法でもPDF変換する方法でも構いせん。メールやクラウド請求システムに添付されているPDFに取引情報が載っている場合はPDFをダウンロードして保存します。また、スマホアプリやチャットに取引情報が載っている場合は取引情報の載った箇所をスクリーンショットした画像を保存します。また、EDIやクラウドサービスなどでXMLを使ってやり取りをしている場合、XMLのままでは文字の羅列となり不明瞭なため適切な保存と認められませんが、Excelやcsvなどに変換して一覧表化したものであれば、データの内容を改変しない限り合理的とされます。
 なおデータストレージに保存・格納する場合、スキャン保存で使用しているデータストレージに格納しても構いません。
【電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係編)Q27、Q28、Q29、追2、追3】

令和5年までの取扱い

 ここまで電子取引データの保存についてお話しましたが、コロナ禍の中改正から施行まで1年足らずしかなくお話した内容を令和4年1月1日までに短期間で対応することは実務上困難だという声が施行直前に多くありました。そこで、できるだけ早く決められた方法で電子保存できる体制を整備しつつ、整備されるまでの間は従来通り受領した電子取引データを紙に印刷して保存する方法が令和5年12月31日まで認められる「宥恕(ゆうじょ)措置」が令和4年度税制改正に盛り込まれることになりました。実際の改正案成立予定は令和4年3月ごろですが、強制適用の先延ばしであることから現状この宥恕措置は有効であると解されます。
 この措置は先ほども申し上げた通り、電子データを決められた方法で電子保存する対応への時間を与えることを趣旨としており、令和5年末まで引き延ばして改正前までの取扱いを続けてよいという趣旨ではありません。そのため、税務調査の際紙に印刷して保存したものを調査資料として提出することは問題ないのですが、今後の電子保存への対応状況や見通しについて確認を受けることがあるようです。
 むろん、令和6年1月1日からの電子取引データは決められた方法で保存された電子ファイルがない場合取引がなかったものとみなされたり、青色申告承認の取消をされたりする可能性がありますので注意が必要です。
【電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係編)Q41-2、Q41-3、Q42】

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