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2022/01/21

紙の書類のスキャナ保存

 紙の書類をスキャニングして電子データに保存する形で税金計算の証拠として保存することができる制度は2005年(平成17年)に導入されました。その後改正により保存要件が緩和されましたが、税務署への届出、書類受領後のスキャニング期限や紙への本人署名、本人以外の人のチェックなどさまざまな要件が課され普及は進んでいませんでした。
 令和3年度改正で令和4年から税務署への届出なしでスキャン保存できるようになり、さらにスキャニング期限が入手後2か月以内に延長され、本人署名省略、本人以外のチェック不要など大幅に導入しやすくなりました。特に本人以外のチェックが不要になることで1人事業者でのスキャナ保存がしやすくなりました。
 スキャナ保存できる書類は国税に関する法律(所得税法、法人税法、消費税法など)の規定で保存が求められている書類のうち会計帳簿、決算書及び伝票を除く書類です。会計帳簿の電子データを印刷したものをスキャニングしても税金計算の証拠とは認められないことは電子帳簿保存法解説シリーズ①電子帳簿編で説明した通りです。
 紙の書類をスキャナ保存した後元の紙の書類は、入手後2か月を過ぎてからスキャンしたものや、プリンターが出力できるサイズよりも大きい書類をスキャンしたものでない限り、廃棄して差し支えないことになっており、スペースの省力化にも貢献します。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q1、Q2、Q3】

使用できる機器とスキャニング実務

 ここからはスキャニングの実務的な事項について解説します。保存に使用できるスキャナはいわゆるスキャナや複合機として販売されている機器はもちろんのこと、スキャニングアプリがインストールされているスマートフォンやデジタルカメラなども電子帳簿保存法での「スキャナ」に該当します。ですので、スキャナ保存のためにスキャナや複合機を買わなくてもスマートフォンのスキャニングアプリを使用すれば低コストかつ場所を問わずにスキャナ保存ができます。また、利用する機器は会社の備品や事業専用でなくてもよく私物でも構いません。
 スキャナ操作及び保存は実際に領収書などを入手した本人が行うのが原則ですが、書類サイズをスキャンデータに記録保存することで経理担当者や営業事務担当者など別の人が保存することも可能です。
 スキャナの読取り可能サイズより大きい紙の書類をスキャニングする場合、ページがまたがることがなければ複数回に分けてスキャンしても構いませんが、縮小コピーによるスキャンはスキャナ保存書類とみなされませんので注意が必要です。
 なお、従業員の立替経費について領収書などと共に経費精算書などを提出させるケースがありますが、経費精算書もスキャナ保存することができます。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q5、Q6、Q7、Q8、Q9】

スキャナ保存に必要な要件

  令和4年以降紙の書類をスキャナ保存できるようにする要件は以下の通りです。
 1.入力期間の制限(詳細は後述)
 2.解像度200dpi以上のスキャナ読取り
 3. 赤・緑・青各256階調以上のカラー読み取り
 4.タイムスタンプの付与
 5.2の解像度及び3の階調情報の保存
 6.大きさ情報の保存(受領者本人がスキャンする場合A4以下の書類であれば不要)
 7.スキャンデータの訂正または削除の事実及び内容の保存管理
 8.スキャン文書と帳簿との相互関係性保持
 9.14インチ以上のカラー表示や4ポイント以上の文字認識等ができるディスプレイの備付け
10.整然・明瞭な出力
11.電子計算機処理システムの開発関係書類(操作説明書)の備付け
12.検索機能の確保
13.過去分重要書類(定義は後述)のスキャンをする場合事務処理規程の整備と税務署への届出
電子帳簿と同様、ディスプレイについてはサイズのみ要件があり、設置台数や性能については特に要件はありません。また、データの保存はクラウドサービスや海外サーバでもよく、バックアップデータの保存も必要ありません。操作説明書についてもオンラインマニュアルやオンラインヘルプで補完できれば紙の冊子を改めて備える必要はありません。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q10、Q12、Q18、Q19、Q20】

スキャニングのタイミング

 ここでは、スキャナ保存要件のうち1.入力期間の制限について詳しく解説します。電子帳簿保存法施行規則第2条第6項では「その業務の処理に係る通常の期間」とされ、具体的な期間は規定されていません。実務上の業務期間を踏まえ取扱通達4-18で「最長2か月の業務サイクルであれば、通常の期間として取扱う」とされています。なお、ここでいう業務サイクルの範囲は紙の書類の受領からスキャニングまたはタイムスタンプの付与までを指します。
 ただし、ただ単に紙の書類をスキャニングしてデータ保存しただけではスキャナ保存をしているとはいえず、書類情報入力とタイムスタンプ付与、訂正・削除履歴が残るシステムへの格納を行ってはじめてスキャナ保存が完了したことになります。では、最終的なスキャナ保存はいつまでに行えばよいのでしょうか。原則は紙の書類受領後速やかにとされていますが、具体的には休日があることを考慮して紙の書類受領後「7営業日以内」とされています。もちろん、体調不良や災害の発生などによる休業や故意・過失でない装置の故障などやむを得ない事情がある場合にまで機械的に7日以内となるわけではなく、やむを得ない事情が解消した後すぐに行えば問題ありません。また、スキャニングについて最長2か月期限の取扱いとの兼ね合いで紙の書類入手からスキャナ保存完了まで最長で2か月と7営業日となります。
 なお、先述しましたが保存期限を過ぎてスキャナ保存を完了した場合は保存したスキャンデータは税金計算の証拠としては有効ですが、同時に元の紙の書類も廃棄せずに保管する必要があります。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q11、Q21、Q22、Q23、Q24】

スキャナ保存できる書類

 スキャナ保存の期限は書類受領後2か月と7営業日までと述べましたが、この期限は資金や物のの流れに直結・連動する領収書やレシート、振込明細書、請求書(控え含む)、納品書、契約書などに適用され、このような書類を電子帳簿保存法では「重要書類」と呼んでいます。では、重要書類に当たらない書類についてはどうなるのでしょうか。
 重要書類に当たらない書類は国税庁長官が定めており、これらの書類を「一般書類」といい、「一般書類」に該当しない書類が「重要書類」となります。具体的には平成17年国税庁告示第4号で以下の通り定められています。
 1.保険契約申込書、電話加入契約申込書、クレジットカード発行申込みのように別途定型的な約款があらかじめ定められている契約申込書
 2.口座振替依頼書
 3.棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書
 4.注文書、見積書及びそれらの写し
 5.自己が作成した納品書の写し
これら「一般書類」については入力期間の制限がなく、過去かなり前の書類でもスキャナ保存して元の紙書類を廃棄することができます。ただし、タイムスタンプの付与はスキャンした都度行う必要があります。
 一方、「重要書類」についてスキャナ保存を開始する前に受領し紙のまま保存していた書類についてスキャン保存を行い紙書類を廃棄する場合は、先述の通りスキャナ保存に関する規程の整備・運用と税務署への届出が必要になります。入力期限は保存対象の書類が膨大になるため無制限となっています。なお、過去の重要書類保存に関する届出は、紙書類の実際の保存場所に関わらず本社(個人事業主の場合住所または事業所のある場所)を管轄する税務署に全社一括して行います。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q43,Q44,Q45,Q49,Q50】

スキャナ保存の要件を満たさないスキャンデータの取扱い

 スキャナ保存したものの先述の要件を満たさずに保存したものついては、スキャンデータが税金計算の証拠として認められません。その場合、元の紙書類が保存されていればその紙書類が税金計算の証拠として認められる一方、スキャンデータのみ保存され元の紙書類が廃棄されていた場合は書類保存なしとされ、税額控除否認や青色申告取消が行われる可能性があります。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q56】

スキャナ保存と消費税の仕入税額控除

 スキャナ保存された書類は「国税関係書類」として消費税にも適用されます。そのため、消費税申告に当たって売上から預かった消費税から控除する、仕入や経費に掛かった消費税の控除を受けるための要件である仕入や経費の記録保存はスキャナ保存された書類でも適用されます。なお、令和5年10月から開始されるインボイス制度の適用についてはスキャナ保存された書類データに必要記載事項がすべて揃っていることでインボイスとして認められ、仕入税額控除を受けることができます。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q4】

適用時期と経過措置

 最後に適用時期について解説します。令和4年度から要件緩和と申し上げましたが、具体的には令和4年1月1日以降保存する書類から適用となり、決算期末が12月末ではない法人の場合も期間の途中であったとしても令和4年1月1日以降の保存から適用できます。なお、ここでいう保存はタイムスタンプの付与を指し、仮に紙の書類の受領が令和3年だったとしても2か月と7営業日の保存期限内の付与であれば令和4年1月1日以降タイムスタンプを付与したものは、改正後の緩い要件が適用されます。
 なお、令和3年以前に改正前の要件に従ってスキャナ保存していた場合に税務署に届け出ていた届出書は引続き有効となり、令和4年以降も改正前の厳格な要件で保存することが可能ですし、令和4年以降改正後の緩い要件で保存する場合でも保存方法の変更に関する日付の記録と税務調査時の変更に関する説明をすれば、税務署に
スキャナ保存取りやめの届出をする必要はありません。
【電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係編)Q60,Q61,Q62,Q63】

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