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2022/01/14

会計ソフトやExcelで作成した会計帳簿の電子保存

これまでExcelや市販の会計ソフトを使って会計帳簿を記帳した場合作成した帳簿は、電子データの訂正・削除履歴を確認できるなど認定された会計ソフトで作成し事前に電子保存に関する届出を税務署にしなければ、電子データで作成しても最終的に紙面で印刷して保存する必要がありました。
令和4年1月1日から備え付けを開始する帳簿より、以前より緩和された要件を満たした会計ソフトで作成したものであれば、事前の届出なしに電子データのままで帳簿保存することができるようになりました。12月末決算でない法人の場合、備付け開始日は原則事業年度初日とされ令和4年1月1日以降開始する会計年度の帳簿から適用となりそうですが、今回は事業年度の途中であっても令和4年1月1日以降作成したものは、要件を満たせば電子データのまま帳簿保存することができます。なお、手書きで作成した帳簿をスキャニングするなどして電子データ化したものは電子データのまま保存できる帳簿になりませんのでご注意ください。
電子データの保存媒体について厳しい制限はなく、社内サーバ、USBメモリやHDドライブなどの外部記憶媒体、クラウドサービスの利用いずれでも可能です。また、バックアップは電子保存要件として求められていません。なお、会計システムと業務システムを連携している場合業務システムのデータも保存されていないと会計データの保存が完全でないとみなされます。理由は業務システムのデータに会計データの詳細・内訳情報が含まれているからです。

【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q3、Q4、Q6、Q12、Q13、Q17、Q19】

電子帳簿を電子のまま保存するための要件

 電子帳簿を電子データのまま保存するにはどのような要件を満たせばよいのでしょうか?ここでは、その要件について解説致します。要件は以下の通りです。
 1.電子計算機処理システムの概要書等の備付け
操作説明書(マニュアル)及び社内事務手続要領を備え付ける義務があります。操作説明書(マニュアル)は必ずしも紙の冊子やファイル、PDFなどである必要はなく、オンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能が操作説明書と同等の役割を果たす場合、見やすい状態で画面表示やダウンロードができれば備付け要件を満たしているものとされます。
事務手続要領については、電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q9にサンプルが載っています。なお、PC等への入力を他の者に委託している場合は事務手続要領に代えて委託契約書など委託業務の内容が具体的にわかるものを保存する必要があります。
 2.見読可能装置の備付け等
この要件は税務調査の際調査作業を円滑進められるようにするため示されている要件です。見読可能装置とはいわゆるディスプレイやプリンタなど出力装置のことを指します。設置台数の要件はありませんが、税務調査の際は調査官が優先的に使用できるよう調整する必要があると示されています。また、保存した電子データの開示はディスプレイ画面表示だけでなく、いわゆるハードコピーでも差し支えないとされています。
 3.ダウンロードの求めに応じること
この要件も税務調査の際調査作業を円滑進められるようにするため示されている要件です。ほとんどの会計ソフトではExcelやPDFにダウンロードできるようになっています。税務調査の際は通常ダウンロード可能な形式で出力するとされていますが、調査官が確認可能であればダウンロードしたデータの形式や並び順に特に要件はありません。
 【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q7、Q8、Q9、Q10、Q11、Q12、追1】

記帳代行を依頼している場合の留意点

事業者によっては会計帳簿の記帳を会計事務所や記帳代行業者に委託する方もいます。このように記帳代行を依頼している場合留意点があります。
 1.会計期間終了後1年分まとめて記帳を委託する場合、会計データを適時に保存し帳簿を備え付ける法令上の要件を満たしていないため、電子データが電子のままほぞんできる会計帳簿と認められないこと
 2.電子データの保存箇所を会計事務所や記帳代行業者など委託先とすることは、税法が求めている事業者の事業所内での保存要件を満たさないため違法となること
2.については事業者の事務所内で委託先が入力したデータをPCなどで閲覧、ダウンロードできるようにする必要があります。
当事務所では事業者自らの責任で会計帳簿を記帳し保存することで、事業者自らが追う説明責任を果たし経営管理に役立てるお手伝いをするスタンスをとっており、帳簿ができるのが遅れ、事業者が自らの保存責任を委託者に転嫁することになりかねない記帳代行は保存形式に関わらずお断りしております。その一方、なるべく負担のかからない形での自社記帳をご支援しております。
【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q20】

優良電子帳簿の要件

今回改正された電子帳簿保存法では電子帳簿を「優良電子帳簿」と「それ以外の帳簿」に分けています。優良電子帳簿と呼ばれるための要件は以下の通りです。
1.電磁的記録の訂正・削除・追加の事実及び内容を確認することができる電子計算機処理システムの使用
2.帳簿間での記録事項の相互関連性の確保
3.検索機能の確保(範囲指定検索と複数条件検索はダウンロードによる対応で代替可能)
つまり、記録の信憑性を容易に確認でき簡単に検索できる、信頼性と機能性の高い会計ソフトで作成された電子帳簿で、今回の法改正前の電子保存要件でもあります。上記の3要件を満たせば「優良電子帳簿」となりますが、さらに優良電子帳簿ができる会計ソフトであることを保証するため、公益社団法人日本文書マネジメント協会(JIIMA)が要件適合性の確認をした会計ソフトに「JIIMA認証」の認証を付与しており、認証されたソフトには認証マークが印字されています。
訂正・削除の履歴要件については、直接訂正・削除ができないシステムの場合、過去仕訳のマイナス仕訳を入力する形でも満たすとされています。また、訂正・削除履歴は訂正・削除期限が予め内部規程等に定められ、その期間が1週間以内であれば残さなくても要件を満たすとされています。
記録事項相互関連性の確保については、一連の番号で取引を特定する方法や集計する場合対象となる取引の範囲が明確にわかるように示す方法で確保します。
複数条件検索については、「AかつB」で指定して検索する方法、または「A」に合致するものを検索し更に「A」に該当するデータの中から「B」に合致するものを段階的に検索する方法のいずれかでよいとされています。また、「AまたはB」の検索機能は不要とされています。
【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q7,Q23,Q24,Q28,Q29,Q49,Q50】

優良電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減要件

優良電子帳簿を作成できる会計ソフトを利用するために税務署に事前の届出をする必要はありません。ただし、届出をすることにより過少申告が発覚した場合に追徴される過少申告加算税が軽減される制度が設けられました。税務署に届出をすることにより軽減される過少申告加算税は、法人税のほか、所得税のうち会計帳簿保存の対象となる不動産所得、事業所得、山林所得に関する部分の過少申告が対象となります。
この届出は事業者単位で行い、社内全ての事業所について会計帳簿の他、現金出納帳や売掛帳、固定資産台帳など会計につながる全ての帳簿について優良電子帳簿の要件を満たす必要があります。
届出は適用を開始する年度を対象とした税金の納期限までに行います。もちろん、適用開始する年度の当初から上記の優良電子帳簿要件を満たす必要です。ただし、個人が年度途中で新たに事業などを始めて事業開始時から優良電子帳簿を作成する場合は、年度当初ではなく事業開始時から満たすことになります。過少申告税軽減に関する届出について、法人が組織変更した場合改めての届出は不要ですが、個人が法人成りした場合は改めて法人で届出する必要があります。
なお、要件を満たさなくなった等の理由で過少申告税軽減をやめる場合には税務署に取りやめる旨の届出をすることになり、届け出た日の属する事業年度に関する税金から過少申告税の軽減が受けられないことになります。ただし、一部の帳簿について優良電子帳簿の要件を満たしている場合、満たしている帳簿は軽減措置取りやめ後も引続き優良電子帳簿として使用できます。
この過少申告税軽減措置は令和4年1月1日以後開始する事業年度に関する所得税、法人税、消費税から適用されます。
【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q35~Q41、追3】

電子保存の取止め

電子データ保存をやめる場合特段税務署への届出は必要ありません。ただし、やめた日以後に記帳したものはすべて紙に印刷して保存するとともに、やめる日に保存していた電子データのうち、保存要件を満たさなくなるデータも遡ってすべて紙に印刷する必要があります。
【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q34】

旧法からの経過措置

令和3年12月31日以前から税務署に届出をして会計帳簿を電子データのまま保存している場合、制度が変わった令和4年1月1日以後の取扱いが問題になります。取り扱いは以下の通りです。
・令和4年1月1日以降も電子帳簿保存に関する税務署への届出をして電子データ保存する改正前の保存要件で電子データ保存することが可能
・令和4年1月1日以降も改正前の要件で電子データ保存する場合でも、必要要件を満たし過少申告税軽減に関する届出をすることで過少申告税軽減措置を受けることが可能
・令和3年12月31日以前に作成した電子データを改正後の保存要件で引き続き保存する場合、令和3年12月31日までに電子帳簿保存取りやめの届出を税務署に提出することが原則になるが、事務負担軽減のため改正後の要件で作成保存を始めた日を記録し、税務調査の際その記録について答えられるようにすることで取りやめの届出が不要
なお、令和4年1月1日以降会計帳簿を電子データ保存する場合でも改正前の要件で電子保存することができ、令和3年9月30日までに税務署に届出をして承認されれば改正前の要件で保存できます。
【電子帳簿保存法一問一答(電子作成帳簿書類関係編)Q51~Q53、追2】

おわりに

 これまで会計ソフトで作成した会計データを電子保存のままでできるソフトが少ななく届出が必要だったことをご存知ない方が多いと思います。確かに今回の要件緩和は会計ソフトがより便利に使えそうな感じがする方もいらっしゃるでしょう。しかし、改正前の要件が厳しかったのは、多くの会計ソフトが自分の都合の良いようにデータ改ざんしても記録が残らないため、ウソの記帳をしてもバレにくく粉飾したり脱税したりする抜け道となっているからなのです。今回の改正は菅政権の下で遅れていた文書の電子化を進めた政策の一環なのですが、電子化だけが独り歩きし情報の信頼性の観点が抜けているのではないでしょうか。フェイクニュースではありませんが事実ではないウソの決算書や申告書が広くまかり通れば国家財政の悪化や貸しの焦げ付きを知らぬ間に進めることになります。
 電子化推進と共に情報の信頼性向上で社会の安定につなげるためにも、当事務所では優良電子帳簿を推進し、真実の状態に基づいて的確にお客様をご支援致す所存です。

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